第275話
本が置いてあるエリアに入った私は立ち止まり全体を見渡した。
円形の巨大な吹き抜けになっており天井が高く、円を描くように本棚が連なる光景は美しく圧倒される。
図書館内だが賑やかな声が聞こえてきていて、職員の方が説明してくれたように会話をしていても良いのだなと思う。
みんなも建物内の作りに圧倒されているのか、立ち止まって天井を見たり周りを見たりしていた。
「図書館だから本棚が並んでいるだけだと思ってたが、これは凄いな」
「すごく綺麗」
フローラとルルが口々に感想を言う。
「ええ、こんなに開放的な図書館って珍しいわよね」
私も周りを見渡しながら言う。
「ねえ、ママ、あそこは何かな?」
マリが奥の方を見て言ってきた。
「なんでしょうね。とりあえずみんなで全体を見て回りましょうか」
私がそう言うと、みんなは頷いた。
「そうしましょ~」
リオヴィシアも頷き、私の横に並ぶ。
みんなで図書館全体を見て回る事にした。
フロア内には色々なエリアがあるようで、まず目についたのは子供のエリアだった。
絵本や児童書が置いてあり、テーブルや椅子があり、子供が座って絵本を読めるようになっている。
さらにその奥から野外に出る事が出来て、そこでも本を読む事ができるようになっていた。
子供のエリアを抜けて二階に上がると、グループで使えるよう個室、会議やミーティングなどに使えるような大きめの部屋もあり、そちらは本を読む場所というよりは話し合いをする為の場所という感じだった。
三階に上がると静かに本を読むための部屋があった。
区切りがされており持ち込んだ本を静かに読む為のスペースになっている。
ここは予約が必要なようで、館内にある予約機を使うかインターネット上で予約をするようだ。
本棚はというと様々な本のコーナーがあり種類も豊富にあった。
小説に専門書、雑誌に新聞、絵本など、あらゆるジャンルの本が揃っている。
本棚を見ながら歩いていると、パイラが何かに気づいたように言った。
「色々な椅子がありますね」
「本当だ」
とルルも感心している。
確かに本を読むために用意されている椅子の種類が沢山ある。
硬めの椅子に柔らかめのソファ、座面が広い椅子や背もたれが高い椅子、さらにはオブジェのような椅子など様々な形の椅子が置いてあった。
「そういえば~昨日~インターネットで~見た時に~色々な~椅子が~置いてあるって~書いてあったわ~」
とリオヴィシアが言った。
昨日の夜、リオヴィシアと一緒にインターネットで図書館の事を調べていた時に書いてあったのをリオヴィシアも覚えていたようだ。
「へぇ~、そんな事が書いてあったのね。気づかなかったわ」
私がそう言うと、
「色んな椅子に座って~本を読めるのって~良いわね~」
とリオヴィシアが目を輝かせて言った。
確かに自分の好きな椅子を探して座って本を読めるのは楽しそうだ。
そうして全体を見て回り終えると、私たちは入り口近くに戻ってきた。
「とりあえず、自由行動にしましょうか、二時間後ぐらいにここに集まる感じで」
私はスマートフォンで時間を確認しながら言った。
「そうね。じゃあ二時間後にここで集合ね」
フローラがそう言うと、みんなもそれぞれ頷き、
「遅れないようにね」
「はーい」
「分かりました」
それぞれの時間を過ごす為にみんなが散らばっていった。




