第268話
リオヴィシアと一緒に広間から大浴場へと向かう中、リオヴィシアが私の顔を見ながら、
「ねぇ~レーナちゃん~さっきのタブレット~私にも~一台欲しいのだけど~」
と言ってきた。
「タブレット?それはケイたちの勉強道具だから、ちょっと貸すのは難しいわね」
「そっか~残念~」
私の返答にリオヴィシアは少しがっかりした様子で呟いた。
「そうね、お風呂を上がったら何か良い物が無いかインターネットで一緒に調べてみましょう。リオヴィシアが気に入るような勉強道具が見つかるかもしれないわ」
「本当~?ありがとう~レーナちゃん~」
リオヴィシアは嬉しそうに笑った。
そんな話をしながら歩いていると、大浴場の前にたどり着いた。
『ゆ』と書いてある女湯の暖簾をくぐり、大浴場の脱衣場へと入る。
中に入ると、私とリオヴィシアより早く広間から移動していたフローラたちが、脱衣場で服を脱いでいるところだった。
大浴場の方からは賑やかな声が聞こえてくるので、先に大浴場に向かっていたケイたちがもう入っているのだろう。
「レーナ様、リオヴィシア様、バスタオルとハンドタオルです」
アクアがバスタオルとハンドタオルを持ってきて私とリオヴィシアに手渡してくれた。
「ありがとうアクア」
「ありがと~」
アクアにお礼を言ってバスタオルとハンドタオルを受け取る。
そして今回は、パイラとルルが初めて家に来るという事もあり、お風呂上がりに着られるようにと色々なデザインの浴衣を棚に置いて準備した。
そのためリオヴィシアにも浴衣を選んでもらう事にした。
「リオヴィシア、お風呂上がりに着るための服、この棚から好きな物を選んで良いわよ」
リオヴィシアを浴衣の置いてある棚へ案内すると、先に来ていたみんなもデザインを見ながら選んだようで少し乱れていた。
「色んな~デザインが~あるのね~」
乱れている事は気にせずに、リオヴィシアが浴衣を一枚取り広げてみている。
「変わった服ね~」
「浴衣っていう服で、日本の宿泊施設に置いてある館内着よ」
「へぇ~そうなのね~」
そう返事をしながら一枚一枚見ていき、
「これに~するわ~」
と言って白い生地に藤の花が描かれている浴衣を手に取った。
「じゃあ私はこれにしようかな」
「どれにしたの~?」
私が選んだ浴衣が気になるのかリオヴィシアがこちらを見て聞いてきた。
「これよ」
そう言って私が見せたのは、白い生地に紺のストライプが入ったシンプルな浴衣だった。
「あら~シンプル~」
「シンプルなのが一番落ち着くのよ」
「そういう~ものなのね~」
選んだ浴衣と先程受け取ったタオルを脱衣所にあるカゴに入れる。
リオヴィシアも自分のカゴにタオルと浴衣を入れている。
私もリオヴィシアも服を脱ぎ、洗い物を入れるカゴに脱いだ服を入れてハンドタオルを持ち、大浴場へと入っていった。




