第264話
ティラサラが飛び立って行ったのを見送った私は、結界の外にティラサラが降りやすいような場所を作ってあげようと思った。
「ここに降りる場所を作っておけば、次からは結界にぶつからないわよね」
私は土魔法で庭の隣の地面を硬く整地していく。
ドラゴンが降りても地面が沈まないようにしっかりと固める。
すると真っ平らな地面が出来た。
「これで大丈夫。でも……なんだか味気ないわね」
少し遊び心を入れたいなと思い、地面の色を変えて絵を描く事にした。
何が良いかなと考えて一番使うのはティラサラだろうからと思い、可愛らしいデフォルメのドラゴンが地面に着陸するような絵を描くことにした。
私は箒を取り出して空中に浮き、全体を見ながら絵の完成形を思い浮かべる。
「この辺りにドラゴンが降りてくる感じで……」
私は魔法で熱線を出し、固めた地面に絵を描いていく。
熱線を与えた硬くした土は熱により赤くなっていく。
そうして描いた赤くなっている土に今度は魔法で冷気を与えて冷やすと、赤くなっている場所が白っぽくなり鏡のように光を反射している。
まるで陶器のような質感の絵が地面に浮かび上がった。
「うん、我ながら良い出来ね」
と満足していると、それなりに時間が経っていたようで魔の森からティラサラが戻ってきた。
ティラサラは空中に浮いている私を見て、
「レーナおば様、なにをやっているのですかー?」
と聞いてきた。
「ティラたちが降りる場所を作っていたの。ほら、ここよ」
私がそう言って今絵を描いた場所を指差すと、その指している場所の絵を見たティラサラが、
「わぁ!可愛い!」
と目を輝かせて喜んでくれた。
嬉しそうな様子を見て私も作った甲斐があったと笑みがこぼれた。
「絵が描いてある場所にティラも降りてみて」
私の言葉にティラサラは絵が描いてある場所に降りてみると、絵の上に立ってみたり周りを歩いてみたりしていた。
「すごいです!地面が硬くて沈みません!」
「気に入ってくれた?」
「はい!」
ティラサラは嬉しそうに返事をした。
家に入る為、ティラサラに人型に変身してもらい、一緒に家に向かって歩き出す。
家に入ってみんなのいる広間へと行く。
「ティラちゃんが遊びに来たわよ」
広間に入り、ティラサラが遊びに来た事を伝えると、
「ティラちゃん!」
とケイが嬉しそうに言ってこっちに向かってきた。
「ケイちゃんこんばんは」
「こんばんは!」
ティラサラがケイに挨拶をすると、ケイも嬉しそうに挨拶を返した。
「みんなと今一緒に遊んでいるからティラちゃんも一緒に遊ぼう!」
ケイがそう言ってティラサラの手を取り、ゲームをしている場所にティラサラを連れて行った。
そんな二人の後ろ姿を見送ってから、私はアクアに声をかける。
「アクア、バーベキュー場が出来たから食材の準備をしましょう」
「はい、レーナ様」
私とアクアは広間を後にして庭に向かった。




