第245話
料理がテーブルに並べられていき、夕食の準備が整ってきたので、私はみんなを呼びにリビングへと向かった。
リビングではケイとシルフィとミノリとホムラがモニターの前でゲームをしていて、イルは一人パソコンでしびれクラゲの事について何かを調べているようだった。
「みんな、食事が出来たわよ」
私が声をかけると、ゲームをしている四人は「はーい」と返事をし、イルはこちらを見て頷いた。
ケイがコントローラーでゲームを少し操作してから立ち上がり、シルフィとミノリとホムラもそれに続き立ち上がる。
イルもパソコンを閉じて静かに席を立った。
「お腹すいたー!」
「今日は何だろう!」
みんな思い思いの事を言いながら洗面所に向かい、手を洗ってダイニングへと集まってくる。
みんなが自分の席に着いたのを確認して、私は声をかけた。
「それじゃあ、いただきます」
「「「いただきます」」」
テーブルの上には暴れ牛の肉の甘辛炒め、突撃魚のフライと南蛮漬け、ポテトサラダ、つみれ汁が並んでいる。
突撃魚のフライはこんがりと揚げられていて、横にはホムラが作った特製のタルタルソース、それとウスターソースと醤油が添えてあった。
南蛮漬けは小さい突撃魚を揚げたものと玉ねぎ、パプリカなどが甘酢のタレに浸かって染み込んでいて、見た目から食欲をそそる。
私はまず、突撃魚のフライにタルタルソースを乗せて一口かじった。
サクッとした衣の中からふわっとした身が顔を出す。
タルタルソースがアクセントになっていてかなり美味しい。
「フライ美味しいわね、お店で食べた焼き魚も美味しかったけど揚げるのも良いわね」
続けて南蛮漬けを食べてみる。
甘酸っぱいタレがしっかり染み込んでいて、小骨ごと食べられるぐらい柔らかくなっていた。
「南蛮漬けも美味しいわ。これお酒にも合いそうね」
「調べてみると突撃魚はクセが少なくて色々な料理に使えるって書いてあったから便利そうだよな。ちなみにつみれ汁も突撃魚を使ってるぜ」
サラが得意げに言う。
「そうなのね」
サラの言葉を聞き、つみれ汁を手に取り食べてみる。
ふんわりとしたつみれから出た旨味が汁に溶け込んでいて優しい味わいになっていた。
「つみれ汁も美味しいわ、本当に何にでも使えそうね」
「だろ?」
とサラは満足そうに答えた。
他のみんなも南蛮漬けやフライが気に入ったようで、あっという間に皿が空になっていた。
他の料理も美味しい。
暴れ牛の肉の甘辛炒めは酒、醤油、みりん、砂糖、と定番の味付けでご飯によく合い、ポテトサラダはホクホクとしたジャガイモの食感とマヨネーズの味が心地よい。
みんな美味しそうに食べていて、あっという間にテーブルの上の料理が減っていった。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
みんなが食事を終えると、食器を片付けてリビングへ移動する。
「そういえば、しびれクラゲの塩蔵は終わったの?」
「終わった」
朝、ミョウバンを買ってきていたのでパソコンで調べ物をしているイルに聞いてみると、しびれクラゲの塩蔵は終わっているようだった。
「今は何を調べているの?」
「クラゲの事」
「クラゲの事?」
「レーナ様、イルに頼まれてしびれクラゲの水分を魔法で取ってみたんですよ、そうしたらしびれクラゲが崩れていったので、その事について調べているのだと思います」
イルが簡潔に答えて私がどういう事かと思っていたところ、アクアが説明してくれた。
私が木材から魔法で水分を取り除いたように、イルもしびれクラゲから魔法で水分を取り除けばよいと考えたのだろう。
水魔法が得意なアクアに頼んでやってもらったが失敗したようで原因が気になっているようだ。
塩蔵が終わったのにしびれクラゲの事をパソコンで調べているのでどうしたのかと思ったがそういう事だった。
「まぁしびれクラゲがいるダンジョンは近いんだし、色々試してみるのも面白いんじゃない?」
「頑張る」
私がそう言うとイルは頷きやる気に満ちた表情をした。




