第234話
会計を済ませて店を出た私たちは、探索者ギルドの中を歩きながらダンジョンの受付へと向かった。
「さっきの店、美味しかったねー!」
「うん、また来たい」
「そうね、特にあの突撃魚としびれクラゲは思わぬ発見だったわね。今度家でも使ってみようかしら」
そんなことを話しながら歩いていると、やがてダンジョンの入り口にある受付に到着した。
探索者カードを提示して手続きを済ませ、再びダンジョンの中へと入る。
一階の広間の転送板に手を触れて深層へと一気に移動した。
「さて、ここからはトレントを狩りながら進みましょうか」
「わかった」
「りょーかい!」
私の言葉に二人が返事をし、私たちは森林が広がる深層エリアへと足を踏み出した。
深層ともなると空気中の魔力が濃くなり、木々はより一層大きく、鬱蒼と生い茂っている。
空気はひんやりとしていて、時折どこからか低く唸るようなモンスターの鳴き声が聞こえてきた。
「他に人が来ていないからか結構モンスターが居そうね」
「狩り放題」
「そうだねー!狩り放題だねー!」
深層の敵であっても、イルとシルフィにとっては苦戦する相手ではなく、二人は軽快にモンスターを倒していく。
「木材に使うから、トレントはできるだけ木材に使いやすいように倒してね」
「オッケー!じゃあ僕が枝を切るからイル姉トドメよろしくー!」
「ん。わかった」
私がそう伝えると、二人は返事をしてすぐに連携を始めた。
まずシルフィが風魔法を放ち、トレントの枝という枝を根元から綺麗に切り落としていく。
枝を失ったトレントは丸裸にされた幹だけの状態になり、動きが鈍る。
そこにイルが地面を蹴って一気に間合いを詰め、斧を水平に振り抜いた。
幹は綺麗な断面を見せて倒れ、地面に大きな音を響かせる。
倒されたトレントは枝が取り除かれていて、あとは製材するだけの状態になっている。
トレント以外のモンスターも襲ってくる事はあるが、トレントの木材が欲しいだけなので、他のモンスターが出てきた時は素材の事は気にせず、シルフィが細剣で切り刻んだり風魔法でまとめて薙ぎ払ったり、イルが斧で粉砕したり土魔法で吹き飛ばしたり、と自由に狩っていた。
私はそんな二人が倒したモンスターを次々と収納魔法にしまいながら後ろをついていく。
ときどき私を狙って横合いから飛び出してくるモンスターがいるが、片手剣で軽くいなして倒していった。
「あっちにもいるよー」
「ん」
シルフィが新たなトレントを見つけて指をさし、イルが斧を担いでそちらへ走り出す。
そんな二人の後を追ってダンジョンの奥へと進んでいった。




