第233話
私たちは三人ともランチの海鮮丼を注文しそれに加えて突撃魚の刺身と焼き、それからしびれクラゲの海藻と酢味噌の和え物を追加で頼むことにした。
「今日とれた魚を使った海鮮丼も楽しみだけど、突撃魚としびれクラゲも気になるわね」
「気になる」
「だねー!今まで食べてなかったし気になるねー!」
しばらく待っていると、お盆に乗せられた料理が次々と運ばれてくる。
目の前に並べられた海鮮丼は色とりどりの刺身が美しく盛り付けられていて、見ているだけで食欲が沸いてくる。
まずはその海鮮丼を一口。
「さすが港町だけあって美味しいわね」
「美味しい」
「うん、おいしいねー!」
新鮮な魚の甘みと適度な脂、そして醤油の香りが口の中に広がる。
次に私は気になっていた突撃魚の刺身に箸を伸ばした。
突撃魚は水の中から飛び出して体当たりしてくる魚型のモンスターで、野球のピッチャーが投げる球のような速度と威力で襲いかかってくるが水場でない場所に落ちるとすぐに死んでしまうため、盾などでガードさえできれば簡単に倒せる。
魔石は極小でただ邪魔なだけの魚という認識だった。
しかし実際に食べてみると歯応えがしっかりしていて、噛むほどにほのかな甘みが感じられなかなか美味しい。
次に焼いた方を食べてみると、脂が程よく乗っていてアジを焼いた時のような香ばしさと旨味がありこちらも美味しかった。
「これ、意外と美味しいわね」
次にしびれクラゲの和え物を食べてみる。
しびれクラゲは見た目は巨大なエチゼンクラゲのようで触手には強い毒性を持ち、水に入った人間を触手で攻撃して麻痺させてくる厄介なモンスターだ。
しかし地上には攻撃が届かず水上近くをゆっくり泳いでいるため地上からなら一方的に攻撃できる。
こちらも突撃魚と同じく魔石は極小で素材にもならず倒すだけ無駄と思われている存在だった。
口に運んでみると、クラゲそのものにはほとんど味はなく海藻の風味と酢味噌の味で食べさせる料理になっているようだ。
しかし食感はコリッとしていて歯ごたえがよく、噛みきれないということもない。
「これもいけるわね」
ダンジョンの浅いエリアにいるモンスターということでこれまであまり気にしたことはなかったが、どうやら探せばなかなか良い食材が眠っているらしい。
シルフィは「この魚おいしー!」と突撃魚の刺身を頬張りながら言い、イルも無言でしびれクラゲをコリコリと音を立てながら食べている。
私たちはその後も料理を楽しみ、満足して食事を終えた。




