第228話
それから二週間ほどが経った頃のことだった。
ある日の朝、スマートフォンの着信音が鳴りだした。
画面を見るとフローラと表示されている。
通話ボタンを押して電話に出ると、
『やっほー!レーナ、今大丈夫?』
と元気な声が聞こえてきた。
「ええ大丈夫よ、どうしたの?」
『実はね、一週間後に私の精霊に乗せてパイラとルルをそっちに送る事になったのよ』
「ああ、料理を習う件ね、リオヴィシアがちゃんと手配してくれたんだ」
『そうなのよ。食堂の代わりが見つかったから、二人がそっちでお世話になるわ』
「そうなのね、分かったわ」
『そういう事で、よろしくねー』
「ありがとうフローラ。二人が来るの楽しみにしているわ」
通話を終えた私は早速、二人を迎える準備に取りかかる事にした。
まず、やらなければいけない事を考えた時、シズクたちが暮らす事になって家の空き部屋が少なくなっている事が思い浮かんだ。
パイラとルルが住むとなると、他の人が泊まりに来た時に泊まる場所が無い。
そこで私は二人が暮らせて大人数が泊まれるように、今の家とは別に廊下で繋げた離れを作ることにした。
新しく作るなら木の家を作ってみたいなと思い立った私は、木材を調達しなければならないと考えた。
質の良い木材を手に入れるには、トレントの出てくるダンジョンに行くのが一番だと思い、そういえば以前探索者ギルドのサイトを見た際に、どこのダンジョンにどういうモンスターが出るのか詳しく書いてあったと思い出した。
「あのサイト、便利そうだから確認してみようかな」
私は居間のテーブルに置いてあるパソコンを使い、探索者ギルドの公式サイトを見てみた。
画面には検索機能が表示されており、モンスターの種類や地域を選んで絞り込みができるようになっている。
私はモンスターの種類を『トレント』、地域を『日本』と『アルタニヤ王国』に指定して検索してみた。
すぐにたくさんの検索結果が表示される。
「石川県とフォノン付近のダンジョンに絞ってみようかな」
さらに条件を絞り込むと、トレントが出現するダンジョンは何ヶ所かあるものの上位種が現れる森林系のダンジョンとなると、石川県に一ヶ所だけということがわかった。
しかもそこはフォノン付近にあるいつものダンジョンではなく、フォノン付近の別のダンジョンと繋がっているらしい。
「このダンジョンに行ってみようかな」
私は早速、トレントを狩りに行くことをみんなに伝える事にした。
「ちょっと木材を集める為にダンジョンでトレントを狩って来るわね」
すると、それを聞いたイルとシルフィが、
「ダンジョン行く」
「僕も行く!たまにはダンジョンに行きたい!」
と言ってきた。
「そう?なら二人とも一緒に来る?」
私の言葉にイルは頷き、シルフィは元気な声で「うん!」と返事をした。




