第223話
食事を終えて空いた食器を返却口へ運び、
「ごちそうさま。パイラ、頑張ってね」
「はーい、レーナさんまたねー」
パイラに声をかけると一瞬手を止めて、元気に返事をしながら手を振ってくれた。
軽く会釈をしてから食堂の扉をくぐる。
食堂の喧騒を背に階段を上り、三階の廊下を進む。
リオヴィシアの部屋の前に立ち、扉をノックした。
「どうぞ~」
中から間延びした気の抜けるような声が聞こえてくる。
その声を聞き、扉を開けて室内へ足を踏み入れた。
「おはよう、リオヴィシア」
「あら~、レーナちゃんおはよ~」
リオヴィシアは机に広げていた書類から顔を上げ、ゆったりとした仕草でペンを置くと、椅子ごとこちらに向き直った。
「朝早くから~どうしたの~?」
その問いかけに、私は昨日交わした会話を思い出しながら口を開く。
「実はね、パイラとルルが料理を習いたいって言ってて」
「あら~、あの二人が~?」
「うん。それで考えたんだけど、私の家に泊めて料理の勉強をするのはどうかなって思ったの。二人が料理の勉強をすればここの食事の質も上がるし良いんじゃないかな」
「それは良いわね~」
「食堂の担当だし、代わりが決まったらで大丈夫だから。決まったら二人を運べる精霊を使役している人に頼んで二人を私の家に運んで欲しいのよ」
「分かったわ~、二人も~ここから離れて~暮らす経験が出来るから~調整してみるわね~」
二人が私に料理を教えて欲しいと言っていたのでリオヴィシアに頼んでみると、ふんわりと首をかしげ、少し考えるそぶりを見せたあと、のんびりとした笑みを浮かべて良い返事を返してきた。
「それと、ここでも美味しい料理を作るにあたり、ここや周りの国って調味料の種類が少ないでしょう?だから、ダンジョンを通って地球に行って、調味料を買ってきたらどうかなって思ったんだけど、ここのダンジョンって何ていう国と繋がっているのかな?」
私の質問にリオヴィシアは頰に手を当てながら、
「何って国と繋がっているかは~分からないわね~。そうだ~、予定がなければ~レーナちゃん調べて来てよ~」
そんな事を言ってきた。
「まぁ良いけど、この辺りのダンジョンってどこにあるの?」
「森の中にはないようで~、森を出たらあるから~フローラちゃんと~一緒に行ってみて~」
頼み事をしに来たら頼まれごとを受けてしまったが、特にやる事がある訳でもないし、他国のダンジョンから行く国も気になるので受ける事にした。
「じゃあフローラと行ってみるから、パイラとルル、二人の事はよろしくね」
「は~い、レーナちゃんも~よろしくね~」
頼みながら部屋を出る。
フローラには悪いが、手伝ってもらおう。
そう思い、私はフローラの部屋へと階段を降り、二階の廊下を歩いて向かった。




