第220話
「二人ともありがとう、やっと落ち着いてきたわ」
「いえいえ、レーナさんのお手伝いが出来て嬉しかったです!」
「食べているみんなの反応も楽しかったね」
二人に手伝ってもらったおかげで混雑は解消され、現在は小皿を置いて自分でよそい食べてみるセルフ方式での食べ比べになっている。
そんな二人と作業中に話をしているなかで『料理の魔女様』という呼び名から『レーナさん』という呼び名に変更してもらった。
ちなみに二人の名前はパイラとルルで生まれてからまだそれほど経っておらず、◯◯の魔女のような呼び名はまだ無いようで、今はここで暮らして料理番をしながらダンジョンや街に行き経験を積んでいるとのことだった。
(まぁ生まれてそれほど経っていないといっても数十年は生きているようだけどね)
そんな二人と話して分かったことがあった。
二人の話だと私はかなり偉い人のように見られているらしい。
フローラと仲良く話し、特等席にいたような上位の実力者とも仲が良い、そして原初の魔女リオヴィシアとも普通に話している。
そんな感じで若い魔女たちの中では一年に一度だけ姿を現す凄い魔女という認識で、かなり話しかけ難い存在だったのだという。
二人と話しているうちにそんな事は無いという事を分かってもらえてよかった。
二人と話しながら料理の補充などをしていたが、食べ物の減りも落ち着いて来たので私も会場を歩き回る事にした。
二人を誘って三人で見て回ることになり、お喋りをしながら歩いていると、
「レーナさんと話せて嬉しいです、出来れば料理も教えて欲しいです」
「そうだよね、こんなに美味しい料理を作れるようになりたいよね」
二人がそんな事を言ってきたので少し考えて答える。
「うちに来てくれれば教えてあげられるんだけど、アルタニヤ王国からここまで結構離れているから、空を飛ぶ精霊持ちに連れて来てもらうのが良いかもね。後はスマートフォンを持ってくれたら教える事も出来るし、地球の料理もインターネットで調べる事も出来るわよ」
うちに来ればアクアやサラもいるし、いつでも教えてあげる事が出来るが遠いっていうのと、一日二日で上手になるものでも無いので長期間住み込みで教える事になるだろう。
長い期間住み込む事に関しては魔女だしあまり時間に囚われていなさそうではある。
インターネットに関しては簡単に調べることが出来るが、食材や調味料の違いや、調理の環境の違いで手間取りそうではある。
サラがこちらの世界の材料で作った料理をインターネットに載せようとしているので、それを教えたり電話でアドバイスしたりするのも良いかもしれない。
「あまり遠出した事がないので行けたら行きたいですね」
「スマートフォンを買った方が良さそうですね」
「スマートフォンがあれば連絡を取り合う事も出来るし、持っていた方が良いかもね。遠出は危険もあるから無理はしないでね」
この地域が地球の何処と繋がっているのか分からないが、ラキナの人でもスマートフォンの手続きが簡単に出来るような環境になっている国である事を祈るばかりである。




