第219話
みんなが置いてある食器を手に取り、料理が並んでいる場所へと集まってきた。
サラダコーナーには様々な野菜やドレッシングが並んでいて、好きな物をかけて食べてください、と書いてあるドレッシングの前で悩んでいる人たちがいて、飲み物のコーナーには日本で買ってきて魔法で冷やしたペットボトル飲料が置いてあり、開け方の説明を見ながら興味深そうにしている人たちがいる。
お肉系やお好み焼き、焼きそばなどが置いてあるコーナーは混雑していて列が出来ていた。
そして私がいるコーナーにも香辛料の強烈な匂いに誘われて人が集まっていた。
「カレーライス、美味しいよー!別々で食べても良いけど、ご飯にこのカレーをかけて食べるともっと美味しいよー」
カレーの美味しそうな匂いで来てみたら、茶色いドロッとした見た目に引いてしまう人もいたが、私がアピールしている事もあり少しずつ興味を持ってくれる人が現れ始めた。
「この甘口と中辛と辛口っていうのはどう違うの?」
「これは辛さによって分けているのよ、甘口は辛さを少なくしてマイルドな感じで辛いのが苦手な人には良い感じね、逆に辛口はかなり辛くなっているわよ、中辛はその間って感じよ、よかったら三つとも少しずつ食べてみる?」
「そうしてみようかな」
そうして小さいカップにスプーン一杯ずつのカレーを甘口、中辛、辛口と三つに分けて渡した。
それを見ていた人たちも興味が沸いたのか同じく試してみたいと言い始めた。
「見た目は悪いけど美味しいわね、私はこの中辛っていうのが良いかも」
「私は辛口ね」
「口の中がヒリヒリする〜、甘口がいい〜」
これが良い、こっちが良い、と賑やかになり、
「ご飯にかける方が良いの?」
と聞いてくる人が現れ出した。
「そうね、ご飯にかけるのが一般的な食べ方だから試してみて」
そう答えている間にも賑やかになったカレーコーナーには人が集まりだしていた。
私は甘口、中辛、辛口の三つを小皿によそい、鍋のある場所の横に試食コーナーを作り分けて置いていった。
「何か凄いことになっているわね」
せっせと分けて置く作業をしていると、横からフローラが話しかけてきた。
「辛さの違いを試したいって人が多いから小分けにしていってるのよ、こうなる事を予想しておくべきだったわ」
「簡単な作業だし人数が必要なら手伝ってもらえば?私もゲーム機の所は任せて来たし」
そう言ってゲーム機の体験コーナーを指差した。
そこにはゲームをしてみている人以外に教えている人もいて、フローラが居なくても回るようになっていた。
「まぁ分からない事があったら呼んでって言っといたし、レーナから借りているゲーム機もあるから、壊したりしたら殺すわよって脅しておいたから壊すような事もないと思うわ。そんな訳でレーナも頼んでみたら?」
「頼むにしても誰に頼めば良いか分からないのよね」
簡単に言ってくるフローラに苦笑いをしながら、そう答える。
魔女の中に何人か仲良くなった魔女はいるが、何故か私の知り合いになった魔女は魔女の中でも上位の実力者が多く、こんな細々とした作業をさせると周りが萎縮して気を遣ってしまうような人たちばかりなのだ。
「そんなの適当に頼めば良いじゃない」
フローラはそう言うと周りを見回して二人の魔女を呼んできた。
「この子たちは普段はここで料理を作ったりしているから、他のやつより料理の扱いはちゃんと出来るから手伝ってもらいなよ」
「料理の魔女様の料理、すごく美味しくて尊敬してます!」
「どの料理も美味しかったです。お手伝いします」
そう言ってくる二人に申し訳なく思いながらも手伝ってもらい混雑を解消していった。




