第213話
鐘の音を聞いた私たちは、中庭へと向かった。
中庭に着くとかなりの人が集まっており、巨大な講堂の椅子に座っている。
そして講堂のステージはそれなりに大きく、そこで発表をする。
魔女会議というが実際は発表会のような物だったりする。
そしてそのステージから離れた位置に空を飛んでいた時に見えていた巨大な木がある。
「いつ見ても大きな木ね」
「私たちの母なる木だからね」
フローラのいう母という言葉は比喩では無く、この大きな木から魔女は生まれる。
年に一度大きな実がなり、その実から魔女が生まれる。
私は名前だけの魔女で違うのだが、魔女と呼ばれる人は基本的にそこから生まれた人の事を言う。
そんな魔女は子供を産む事が出来るのかというと出来るようで、基本的に一般的な女性と同じ体の作りらしい。
ただし、魔女が産んだ子は魔女では無く男性の種族が反映されるらしく、魔女のように不老ではなく寿命は男性の種族と同じで多少魔力が多い子になるとの事だった。
過去に獣人や魔族、人族との子を産んだ魔女の子がそうだったのでそういうものだと結論が出たようだ。
「私たちはこっちに座れば良いのよね」
「そうね、事前に発表する事が決まっている人はこっち側に座れば良いから私たちはこっちね」
私とフローラは前列の椅子に座り待機する。
みんなが講堂に座っていく中で、私とフローラが座っている前列の席とは違うステージに近い特等席のような物もあり、そこには原初の魔女を含む、原初の魔女が生まれた後に生まれた十人の魔女が座る事になっている。
そして椅子に座り待っていると、
「ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン」
と魔女会議が始まる四回の鐘が鳴った。
周りのお喋りの声が止まり、静かになった所で、ステージに一人の魔女が現れた。
その魔女は少し垂れ目で長い波打つ金髪をした、優しいお姉さんといった見た目をしている。
そんな魔女から、
「みんな〜、今年も魔女会議が始まりま〜す。みんなの研究成果や〜、変わった事の発表、各地区の情勢のお話を〜、楽しみにしているからね〜」
とゆるふわな感じの話し方で魔女会議の開会宣言が行われた。
「相変わらず緩い開会宣言ね」
「まぁリオヴィシア様だからね」
開会宣言をしたのは原初の魔女リオヴィシアで彼女の緩い感じが出ている彼女らしい挨拶だった。
ちなみに全体に声が聞こえるように魔道具のマイクのような物がステージには置いてある。
「じゃあまずは〜、今年新しく生まれた〜魔女の紹介をしますね〜」
とリオヴィシアの新しい魔女の紹介から、この会はスタートした。




