第209話
「じゃあ、行ってくるわね」
準備を終えて魔女の里へ出発する為、玄関を出て出発の挨拶すると、
「はーい!いってらっしゃーい」
「「「「いってらっしゃいませ!」」」」
「いってらっしゃいませ」
「気をつけてね」
「楽しんでこいよ!」
「頑張ってねー」
とみんなから返事があった。
「帰るのは明日か明後日になるだろうし、何かあったらスマホで連絡してね」
「「「はーい!」」」
連絡手段がスマホになって、何かあっても簡単に連絡出来るので便利だなと思いながら箒を取り出し飛び上がる。
手を振っているみんなに手を振りかえして魔女の里へと向かった。
開催される場所はここから西の方向にあり、国を二つ超えて行った先にある広大な森の中にある。
魔の森とは違いモンスターはそれほど強くなく、国同士を繋ぐ道も出来ている。
森の中には様々な集落があり、特にエルフはこの森の奥深くにエルフの里と呼ばれる大規模な集落がある。
その集落には部外者が中に入らないように認識阻害と植物による結界が施され、閉鎖的な集落になっている。
最近ではそういった閉鎖的なところを嫌い集落を出て生活している若いエルフが増えているようだが。
「それにしても毎回思うけど、魔女の里は行きにくい場所ね」
私は空を飛んで来ているが、早く移動する手段の無い魔女もいるようで何日も前から旅に出て会場まで来ている魔女もいるようだった。
(まぁ大体の魔女は飛べる大型の精霊に乗ってくるようで、知り合いに一緒に乗せてもらって来ているという魔女もいるようだけどね)
そんな広大な森の中、エルフの里とは別の場所に違う結界で隠された魔女の里はある。
そんな広大な森が見え始めたところで、
「さてと、森が見えて来たし、もうそろそろ使おうかな」
私は収納魔法からペンダントを取り出して首にかける。
そしてそのペンダントに付いている宝石に魔力を注いだ。
するとペンダントの宝石から光の線が出て森の一点と繋がった。
このペンダントは魔女の里を示す光が出る魔道具で魔力を注いだ本人にしか見えないという物である。
さらに魔女の里を覆っている何重にもなっている結界を通る為の道具にもなっている為、魔女以外は入れない。
この森の中でエルフの里よりも知られていない、というか魔女以外知らない場所だ。
「あっちね」
ペンダントの光の先を目指してゆるやかな風を切って飛ぶ。
眼下に広がる森は、どこまでも静かで、けれど生命の気配に満ちていた。




