第208話
朝日が昇り始めて、部屋の中にオレンジの光が差し込み始めた頃、私はゆっくりと目を覚ました。
今日は魔女会議の日。
ベッドを抜け出し、寝間着から着替えてキッチンへ向かうと、ちょうどアクアとサラとシズクたちの六人が朝食の準備を始めるところだった。
「みんな、おはよう」
「おはようございます」
「おはよう!」
「「「「おはようございます!」」」」
私が声をかけると、みんなが振り返り挨拶を返してきた。
「朝食は何にする予定?」
「とりあえずパンとスープとサラダにする予定です」
「ならパンはベーコンエッグトーストにしましょうか」
と私はキッチンに立ち提案した。
「良いですね、では私とシズクでサラダを作りますね」
「オッケー!こっちはホムラと一緒にスープを作るよ」
「ならミノリとフウカは私とベーコンエッグトーストを作りましょうか」
「「はーい!」」
私はミノリとフウカに作り方を教える為、指示を出す。
「とりあえず食材の準備ね」
冷蔵庫から食材を取り出してミノリとフウカに渡してキッチンテーブルへ持っていってもらう。
食パンを切り、人数分用意してキッチンテーブルへ並べていく。
「まずは食パンにマヨネーズを塗っていきます」
「はい!」
キッチンテーブルに並べた食パンに二人がスプーンでマヨネーズを塗っていく。
「次はこんな風にくぼみを作るのよ」
マヨネーズを塗った食パンのふちから少し内側にスプーンで四角く押し込み、中央をくぼませてみせる。
二人は私のやったように全部の食パンにくぼみを作っていった。
「くぼみが出来たら、そこに具材を置いていくわよ」
くぼみにベーコンを乗せていき、真ん中に卵をそっと割り入れる。
そして卵の黄身以外の場所にスライスチーズを乗せて、ブラックペッパーを全体にかけた。
「こんな感じね、卵を割るのが苦手なら別の容器に割ってから食パンに乗せてね」
二人とも頷くとベーコンを乗せていく。
卵を割るのはまだ苦手なようで、二人とも卵を割って入れる為の容器を準備して一個ずつ割っていく。
「あっ!」
フウカが割るのに失敗したようで黄身が破れてしまった。
「黄身が破れたのはこのボウルに入れてね」
私が二人の間にボウルを置いてそう言うと、
「「分かりました!」」
と言って卵割りを再開した。
何度か割るのに失敗しながらも全ての食パンに乗せて、最後にチーズとブラックペッパーをかける。
「あとはオーブンで焼くだけね、焼けるのは早いからみんながダイニングテーブルに着く頃に焼きましょうか」
そう言って周りを見ると、アクアとシズクはサラダを作り終わりダイニングテーブルの上に食器などを並べている。
サラとホムラの方はオニオンスープを作っているようで、炒めた玉ねぎに水を入れる所だった。
もうそろそろ朝食の準備が終わりそうなので、
「二人ともみんなを起こして来てくれる?」
と二人に頼む。
「「はーい!」」
返事をしてみんなを起こしに二人が二階へと向かっていった。
私はそんな二人を見届けてから、二人が割るのに失敗した卵を使って玉子焼きを作る事にした。
砂糖を入れて甘めに作った玉子焼きを切り分けて子供たちの座る場所に置く。
やがて二階からぞろぞろと降りてきて、ダイニングテーブルに着き始めた。
私は予熱しておいたオーブンにベーコンエッグトーストを入れる。
やがて焼き上がったベーコンエッグトーストをテーブルに並べ、スープも注がれて、全員が席に着く。
「「「いただきます!」」」
賑やかな朝の食卓。
年に一度の魔女会議の日も、こうして始まってしまえば、いつもと変わらない。
私はスープを一口含んで、窓の外に昇りきった朝日を眺めながら、静かに今日の始まりを噛みしめた。




