第187話
ゲームをして盛り上がっている声を聞きながらキッチンへと着いた私たちは昼食の準備を始めた。
「今日は外が暑いし、ゲームしているうちに興奮してきて暑くなってるだろうから、さっぱりした物にしましょうか」
「そうですね」
「何にするんだ?」
サラの質問に私は少し考えて、
「日本で買ってきた素麺があるから素麺にしましょうか」
と答えた。
「了解、じゃあこっちは天ぷら作るわ。何か天ぷらに良い食材とか持ってる?」
サラが素麺に合う料理として天ぷらを作ることにしたようで、私の手持ちの食材で良い物がないか聞いてきた。
「そうね、魔の森で倒したマドロミキノコならあるわよ、天ぷらにはした事がないけど熱を通しても食感が良いし旨みもあるから良さそうよ」
「ああ、あいつね」
魔の森でたまに見かける植物型のモンスターで眠気を誘う胞子で攻撃してくる。
少し吸っただけなら眠気が来るだけなのだが近づいてしまうと大量に飛ばしてきて一気に睡魔に襲われ動けなくなる。
胞子自体は熱に弱いので、食べる際は熱を加えれば大丈夫なのだが、倒す際には森の中なので周りの木に引火する恐れがあり火による攻撃がしにくく、直接的な火による攻撃で倒すとそのまま燃えて素材が手に入らない。
さらに気づかない間に胞子を吸ってしまい眠気がくる場合があるので魔の森のモンスターの中でも嫌われている部類のモンスターである。
マドロミキノコを倒す際は胞子を吸わないように防毒マスクをする必要があるが、魔の森は他のモンスターも厄介な為、防毒マスクをしてしまうと匂いでの索敵が出来ず発見が遅れるモンスターもいるので、マドロミキノコを狙っての探索以外ではマドロミキノコは基本スルー推奨のモンスターである。
但し、状態異常に耐性があるレーナやアクアたちにとってはただの食材である。
レーナは収納魔法からマドロミキノコを取り出し、それ以外にも日本で買ってきた野菜なども渡した。
「お!このタマネギってやつ美味しいよな」
「タマネギの切り方はくし切りでバラけないように爪楊枝で固定してから天ぷら衣につけてね」
「おう、わかった!」
この世界、ラキナでも日本の野菜に似た味の物や形をした物はあるが、まったく同じ物は無い。
そういう事もあり、日本で買ってきた野菜はラキナでは無いものなのでサラにとっては未知の食材で色々な料理で試したい物であった。
「では、私はサラダを作りますね」
アクアがそう言ってサラダ作りに取り掛かる。
私も素麺用のつゆを作ろうと鍋に水を入れて火にかけるのであった。




