第183話
数日が経ったある日の朝。
私はシズクが淹れてくれた紅茶を飲みながら、のんびりと過ごしていた。
アクアの淹れてくれる紅茶と比べるとまだまだ香りが出ていなかったり、少し薄かったりとうまく出来ていないが、少しずつ上手になっていて成長を見られて楽しい。
そんな中、日本から買ってきて玄関に設置しておいたインターホンの音が鳴った。
アクアがモニターの映像を見てから玄関へと向かう。
しばらくすると訪問客がアクアの後ろについて歩いて来た。
「レーナちゃんお久しぶり!元気にしてた?」
そう言ってくるのは、亜麻色の長髪に澄んだ青い瞳、高身長でスレンダーな体型の明るい女性。
「お久しぶりね、元気にしているわよ。フローラは……元気そうね」
「ここ百年はずっと元気よ!」
笑いながらフローラはそう言ってから、
「それにしても久しぶりに自分の名前を聞いた気がするわ」
と付け加えた。
「みんなに呼んでもらえば良いじゃない」
私がそういうと、
「いや~、名前より閃光の魔女って通り名が広まっちゃって、みんな閃光の魔女様って呼んでくるんだよね」
と返してきた。
「そうなのね、まぁ通り名が定着しちゃったなら仕方がないわね。それは良いとして、こんな朝早くにどうしたの?」
「あー!レーナちゃんやっぱり忘れてる!」
私の質問に信じられないといった表情をしながらそう言ってきた。
私が何だろうと思っていると、
「魔女会議だよ!魔女会議!」
フローラは大きな声でそう言うと、
「年に一度の開催なんだから忘れないでよ!」
とぷりぷりと怒ったふりをしながら言ってきた。
「いや……私、魔女じゃないし……」
魔女と名乗っただけで私は魔女では無いのでそう答えた。
すると何を言っているのというような顔をしてから、
「毎回言ってるけどレーナちゃんはもうみんなが認める魔女だよ!強さと必要性で言ったら大魔女だよ!」
と言ってきた。
会話から分かる通り、私とは違いフローラは昔からこの世界にいる本物の魔女である。
昔、魔女を名乗っていた偽魔女の私の所へ好奇心で来たフローラは、私の出した料理に感動してたまに遊びに来るようになった。
そんなある日、フローラが来たのでいつものように遊びに来たのかなと思っていたら、魔女会議に私を連れて行くと言い出し、魔女の里に連れて行かれた。
魔女の里に着くと魔女たちは魔女でも無い私を見てから、なぜフローラは魔女の里に魔女じゃない者を連れてきたんだ、とフローラに質問した。
するとフローラがレーナちゃんの料理を口にしてもそんな事が言えるかな?と謎の挑発をした。
そこから訳もわからず連れてこられた私は料理を作ってみんなに振る舞う事になり、厨房へ行き仕方なく料理を作り始めた。
そして出した料理は好評で、そこから毎年魔女会議に呼ばれて料理を作ってと言われるようになった。
今までの会議はお菓子や簡単な料理を作るぐらいで料理が得意な者は居なかったらしく、美味しい料理が食べられるようになると出席者も増えたとの事だった。
そうして私は魔女の間だけでだが、料理の魔女と呼ばれるようになり魔女会議に必要不可欠な存在となってしまった。




