第168話 理依奈視点
私たちは五階層へ戻る道のりを進んでいた。
モンスターを見つけると澪が補助魔法をかけて私の魔法で先制攻撃をしていく流れは変わらなかった。
ただ一つ違いがあったのは、モンスター一体が後衛に行きそうな場合は大晴が挑発してヘイトを取るのではなく、私と澪が近接で戦うようになっていた。
一体では無く二体来る事もあったが危ない場合はカイトお兄さんとマリお姉ちゃんが助けてくれる事になっていたので頑張って戦った。
「さすがにこの階層のモンスターを理依奈ちゃんと澪ちゃんが一対一で戦うのは厳しそうだね」
モンスターが二体こちらに向かってきたので一対一での戦いになったが攻撃を避けきれず受けてしまった。
攻撃を受けるたびにすぐにマリお姉ちゃんが回復魔法をかけてくれたおかげで何とか勝てたが一人で戦うのはまだ無理そうだった。
「二人でなら行けたけど一人だと回避していると攻撃できないし、攻撃すると相手の反撃に反応できなくて攻撃を食らってしまうし、難しいね」
「そうだねー」
澪の言葉に同意して魔石を回収する。
「こういう戦いを経験して強くなっていこー!」
澪が近接を頑張ると言ってからマリお姉ちゃんは仲間が出来て嬉しいのか楽しそうだ。
「僕たちがいるから良いけど普通はそんな危ない事しちゃダメだよ」
カイトお兄さんが困った顔をしながらマリお姉ちゃんのいう事に釘を刺した。
そんな事がありながらも順調に進み、五階層へ行く階段のあるセーフティエリアへ辿り着き、
「そうだ、一階層に行くと人が多いから休憩中に話していた魔力制御の練習をここで教えましょうか」
手を叩きマリお姉ちゃんが提案してきた。
私と颯斗は麗奈お姉ちゃんに教えてもらっていたので魔力制御の自主練習をおこない、澪と沙希と大晴はカイトお兄さんとマリお姉ちゃんに教わっていた。
やり方は前に麗奈お姉ちゃんがしてくれたように魔力を感じるところからで、カイトお兄さんが大晴と手を繋ぎ、マリお姉ちゃんが澪と沙希と手を繋いで練習をしていた。
「ふぅ、何となく魔力が分かった気がする」
「じゃあ、その体の中にある魔力の一部をゆっくり体の中に循環させるイメージで動かしてみよう」
一番苦戦していた大晴も自分の中にある魔力を感じる事が出来たようで動かす練習を始めた。
それから少し練習した所で、
「はあ~っ、魔力を動かすのって結構疲れますね」
と大晴が大きく息を吐き呟いた。
「そうだね、慣れるまでは毎日数分でも練習すると良いよ、慣れてくると魔力が少なくても魔力を循環させて自身の身体を強化する事が出来るようになるから頑張ってね。じゃあ魔力制御の練習はこれくらいにしてダンジョンから出ようか」
カイトお兄さんが立ち上がり私たちも頷いて立ち上がる。
それから階段を上がって五階層へ行き転移板を使って一階層へと移動した。




