第142話
王都ラティオンに入った私たちは道の端に寄り確認をしていた。
「まずは星霜の旅団に行く予定で良いのよね?」
「ええ、それで良いわよ。事前に連絡はしてあるけど、一応ラティオンに着いたことを星霜の旅団に連絡しておくわね」
私は菜摘の確認の言葉に答えてリアに電話をかける。
スマホのコール音が数回鳴った後、音が消えると、
『母様!おはようございます!』
というリアの元気な声が聞こえてきた。
「おはよう、リア。今ラティオンに着いたから、もう少ししたらそっちに着くからね」
『はい!わかりました!待っています!』
「よろしくね」
元気な声のリアだったので周りに誰もいない状況だったのだろう。
前回電話した時は周りに人が居る状況だったようで威厳があるようにキリッとした喋り方になっていた。
通話を切り大丈夫だった事をみんなに伝えて星霜の旅団の拠点へと向かう。
「本当に星霜の旅団に行くんですね」
「アルタニヤ王国の最大クランなんですよね」
「リア様と会えるのか……」
「うぅ~、緊張してきました」
みんながラティオン内を進むごとに星霜の旅団の拠点が近づいてくる感じがして緊張し始めたようだ。
アルタニヤ王国の最大クランという事もあり、テレビやネットのインタビューで星霜の旅団は早くも日本で人気が出ている。
そんなクランの仕事に関わる現実感が湧いて来たのだろう。
緊張を感じているみんなをほぐしてあげようと話しかけながら歩いていると星霜の旅団に到着した。
入口から入り、受付の方向を見ると受付の端に控えているカミラが居たのでそちらに向かい声をかけた。
「おはよう、カミラさん」
「おはようございます、レーナ様。団長からレーナ様が来たら呼んでと言われていたので呼んできますね」
リアから話が通っていたらしく私を待っていてくれたらしい。
しばらくすると奥の扉からリアがやってきた。
「お待たせしました、母様。さっそく皆さんで話が出来る場所に案内しますので着いて来てください」
「わかったわ、みんな行きましょうか」
リアに返事をして振りかえると、まきなつプロダクションのメンバーが私とリアを見て驚いた顔をして止まっていた。
菜摘にはリアが義娘だと前に話していたので驚きはしておらず、みんなに、
「ほら、行くわよ」
と声をかけていた。
リアと私が歩き出した事により再起動したのか、みんなも私たちに着いて来た。
後ろから小さな声で「社長、どういうことですか」と菜摘に質問している声が聞こえてくる。
後ろの話をスルーしながらリアの後に付いて行くと扉の前でリアが止まった。
「この部屋になります」
そう言ってリアが扉を開き中に入って行く。
「団長、レーナ様だからって自分で迎えに行かないで下さい」
「母様は特別です」
リアが部屋に入ったと同時に中に居る人物が彼女に注意した。
注意された本人は当たり前だという感じで返答をしていた。
そんな問答を聞きながら私たちも中に入ると、中には数人居て私たちを待っていたようだ。
「みなさま、こちらの椅子にお座り下さい」
受付の制服を着た女性が案内してくれた席に座ると、リアが全体を見た後、
「では自己紹介でもするか、私はリア・カザハナ、このクラン、星霜の旅団の団長をしている」
と挨拶を始めた。
「初めまして、星霜の旅団の副団長をしているギルバート・リバーと申します」
リアに続き副団長のギルバートが挨拶をした。
ギルバートは人族で白髪のナイスミドルな男性だ。
ちなみにリアに注意していたのは彼だ。
そこからは順番に向こうの挨拶が始まり、経理を管理しているや受付を管理していると挨拶をしていった。
続けてこちらも挨拶をしていき、全員の
挨拶が終わると、
「では、まきなつプロダクションのみなさん、説明をお願いします」
とリアが言った。




