第139話
エレベーターを降り一階に着いた私たちは何を食べようか話しながら歩いていた。
「何を食べようか、迷うわね~」
「流華はここにある店舗は全部食べたの?」
「多分全部の店に入ったと思うわよ、昼食はよくここで食べてるし」
「そうなのね」
クラン内にこれだけの種類の店があるので毎日違う料理を食べられて良さそうだ。
「色々なお店があって迷っちゃうわね」
「どこのお店でも大抵は美味しかったわよ」
色々とある店舗を見て回りながら考える。
「どんなものが食べたい?」
「和食にするか、洋食にするか」
「う~ん」
悩んでいると気になる店を見つけた。
「あそこはどうかしら」
流華に目当ての店を伝えると、
「良いんじゃない?あのお店に入りましょうか」
選んだ店は串カツ食べ放題の店。
店に入っていくと店員さんに席に案内された。
メニューをもらうが基本食べ放題のためドリンクメニューしか書いていなかった。
「まずは飲み物を頼みましょうか」
流華と話し合いビールを二杯頼む。
しばらくして店員がビールを持ってきたので受け取る。
「さぁ飲みましょうか」
「そうね、じゃあかんぱ~い」
「かんぱ~い」
ジョッキを合わせて一気に煽る。
キンキンに冷えたビールは美味しい。
「ふぅ、さてと食材を取りに行きましょうか」
メニューに書かれた店の説明を見ると、自由に好きな食材を持ってきて、テーブルの真ん中にある油で揚げて食べるというものだった。
店内を見てみると中央の一角に様々な食材が置いてあり、そこに向かって二人で歩いていく。
食材の盛られている場所につくと、肉や野菜、海鮮系、さらにはカレーや麺、デザートと様々な種類があった。
「色々な種類があるのね」
「どれもおいしそうだし一個ずつ取っていこうかな」
流華と話しながら食材を選ぶ。
「まずはシンプルに豚肉とか玉ねぎ、あと餃子とかも良いかもね」
色々な食材を好きなように選んで持っていく。
「自分の好きな物を選べるのが食べ放題の良さね」
ある程度食材を持ってテーブルに置き、タレを取りに行く。
「タレも結構種類があるわね」
とりあえず普通のソースと辛口のソースを持って戻る。
席に戻ると、流華の座っている所にはタレと食材、それとカレーが置かれていた。
「さてと、揚げましょうか」
私が席に戻って来たタイミングで流華がそう言うと串を持ち食材を油に入れる。
私も串を持ち食材を入れながら流華に話しかける。
「カレーを持ってきたのね」
「ここのカレーって結構美味しいんだよね、そして……」
そう言葉を区切り、串についた揚げたばかりのカツを箸で取りカレーの上に置く。
「カツを乗せてカツカレーの完成!」
そう言って美味しそうに食べ始めた。
確かに美味しそうではある。
「アレンジも食べ放題の良い所ね」
そこからは食材を揚げて話しながら食べていく。
結構食べたなと思った所で流華も同じだったのか、
「ふぅ、結構食べたから最後にデザートでも食べましょうか」
「良いわね、取ってきましょう」
デザートを取りに行くと、果物やソフトクリーム、ケーキなどがあり、さらにはクレープの生地が置いてあり好きな材料を入れてクレープを作れるようになっていた。
「クレープを作ってみようかな」
「何を入れるの?」
流華が見てくる中、クレープ生地に生クリームとバナナとミカンを乗せて、その上からチョコレートをかけてクレープを作る。
「じゃあ私もクレープ作ってみようかな」
流華はそう言ってクレープ生地を皿に置きどんどん果物を置いていく、生クリームをかけクレープ生地を上から被せると。
「完成!フルーツたっぷりクレープ!」
その宣言と共に出来上がったクレープは皿いっぱいの巨大なものだった。
「そんなに食べられるの?」
「もちろん!」
自信満々な顔でナイフを入れ、フォークで取り豪快にかぶりつく。
「ん~、おいしい!」
幸せそうな笑みを浮かべながらパクパクと食べ進め、ものの数分で完食してしまった。
「もうお腹いっぱい」
「そりゃあんなに食べればお腹いっぱいでしょうよ」
そんな流華の様子に呆れながらも残ったクレープを食べる。
お腹いっぱいになった体を休めてから席を立ち会計を済ませて店を出た。
「いや~、美味しかった」
「気楽に食べられて良かったわね」
「今度は菜摘と三人で食べましょうね」
「そうね、今度は日にちを決めてみんなで飲みましょうか」
話しながら歩いていると玄関前に到着したので、
「じゃあ、今日はこの辺で帰りましょうか」
「了解、私は少しクランに残るから、気をつけて帰ってね」
「流華もお酒が入ってるんだし気をつけてね」
「「またね~」」
挨拶をして流華に小さく手を振りながら玄関を出る。
「さて、駅まで行きましょうかね」
そう小さく口に出した後、駅へ向かって歩き出した。




