第134話
スマホの画面を見ると流華の名前が表示されていたので電話に出る。
『麗奈、ミーティングが終わったけど今どこにいる?』
「一階の大帝の翼の展示コーナーにいるよ」
『了解、今から行くね』
通話が切られて少しすると展示コーナーの入口付近が騒がしくなり、そちらの方を見ると流華がお客さんたちに囲まれていた。
「握手して下さい」
「一緒に写真撮っても良いですか?」
「サイン下さい」
お土産コーナーの流華グッズの多さからなんとなく分かっていたが、流華はかなり人気があるようだ。
慣れているのか嫌な顔せず丁寧に対応していっている。
そんな様子を見ていると最後の人の対応が終わったのか、こちらに向かって歩いてきた。
「お待たせ」
「おつかれさま、大帝の翼の看板娘」
と冗談交じりに言うと、流華は少し困ったような笑みを見せて、
「もう看板娘なんて歳じゃないわよ、そんなことよりどこに行く?」
と聞いてきた。
「う~ん、とりあえず一階ずつ見ていく感じかな?」
「了解、じゃあ地下はお土産などが多いから上の階から見ていく?」
「そうしましょうか」
行き先が決まったので展示コーナーからショッピングエリアへと向かう。
「展示コーナーのお土産を見たけど、勇気と流華の商品が多かったわね」
私の言葉に流華が苦笑いしながら、
「私と勇気はダンジョンが出来てから攻略の最前線にいたからね、テレビに出る機会や取材を受ける事が多かったのよ。さらにはクランの宣伝用の動画なんかにも出されちゃってるから知名度が高いのよ」
「なるほど~」
勇気も流華も最前線で活躍していたのはそうなんだろうが、勇気は整った顔立ちで歳の割には可愛い系の見た目で、流華は綺麗な見た目で可愛い系ではなくカッコいいお姉さんという感じなので見た目の人気もあるのだろう。
「そういえば、麗奈が持ってきた果物、みんなに好評だったわよ」
「それなら良かったわ」
ハズレもある果物だが色々な味が楽しめてイルが作った物の中でも大成功なんじゃないかと思う食べ物なので嬉しく思う。
「あれってアルタニヤ王国に行けば買えるの?」
「あの果物は買えないわね、あれはうちの精霊の一人が作った物で、まだ市場には出していない物なの」
「そっか~、あの果物美味しいし面白いから欲しかったのになぁ」
「少しならあげられるだろうし後であげるね」
「ありがとう!」
ちょっと残念そうな表情をしていた流華が嬉しそうにお礼を言ってきた。
後でイルに果物が評判だった事を伝えて在庫について聞いてみよう。
そんな会話をして歩いているとエレベーターの前に到着した。




