第129話
「さて、疲れも取れたので流華の居る階層まで行きますか」
休憩していた勇気が席を立ちながら言ってきた。
「そうね、あと何階ぐらい行けばいるの?」
「あと二十階ぐらいかな、連絡した時にそのあたりだったから今はもっと深い所にいるだろうけどね」
「分かったわ、二十階ぐらい降りた時に一度連絡しましょうか」
「そうですね」
話しながらダンジョンへ入っていく。
転送板を使い先程までいた場所に戻ってきた。
「さっきと同じ感じで進む?」
「はい、ここまで来た時と同じようにモンスターは無視して、僕が先を走って麗奈さんが付いてくる感じで行きましょう」
「了解、ボスは私の方が余裕あるから私が倒して行くわね」
「はい、お願いします」
話がまとまり、勇気が走り始めたので、後ろをついて行く。
中層に入ってから四回ボスを倒した所で勇気がスマホを取り出し流華に電話をかけた。
「流華に聞いたらもうすぐ次のボス部屋に着きそうな所だってさ」
「それなら、あと五階層降りた所ね」
そう言った所でふと思った事があった。
「そういえば、流華は今、クランメンバーの指導をしているって聞いたけど、中層のこの辺りで指導するものなの?」
日本の大手クランならもっと深くに潜っていそうなので聞いてみると、
「今日流華が指導しているのは二年前に探索科の学校を卒業して大帝の翼に入った子たちだね、有望そうな子はスカウトしているんだよ。危険が付き物のダンジョン探索だからね、若いうちは早く強くなりたいって実力に見合わない危ない探索をしちゃう場合があるから、一ヵ月に二度ほど指導という名でクラン内の上級探索者が交代で実力に見合った探索をしているか確認しているんだよ」
「へぇ~、若い世代を育てているのね」
なるほどと感心した。
クランに入れるかどうかは運と実力だが、ソロでやるよりも安全に強くなれてちゃんとしているようだ。
「さて、あと少し行きますかね」
勇気の言葉に頷くと走り出したのでついて行く。
五階層降りてボス部屋に向かうと少しして戦闘音が聞こえて来た。
見えるところまで移動すると、モンスターとは五人が戦っており、苦戦している感じでもなくうまく連携して戦っていた。
そこから少し離れた所に一人の女性、流華が戦闘を見ながら立っていた。




