第128話
今、私はダンジョンの中を走っていた。
時は少し遡り勇気との会話をしていた後、
「流華は今、池袋ダンジョンでクランメンバーの指導をしているから一緒に行きましょう」
と言って流華の所まで勇気と一緒にダンジョンへ行く事になった。
池袋ギルドに着いたは良いが、池袋ダンジョンに行った事がない私は、転送板で一気に下へ行く事が出来ないことに気付いたので勇気に言うと、
「じゃあ走って一気に行きますか」
と言ってきて今に至る。
基本モンスターは無視して行き、ボスだけ倒して転送板を登録しながら進んでいた。
池袋ダンジョンに詳しい勇気を前に走らせその後を付いていく。
日本でも実力のあるクランのリーダーだけあり、結構な速さで走っている勇気に感心しながらついて行っていると、
「凄いですね、かなり速く走っているんですが付いてきてますね」
と後ろをチラリとこちらを見て言ってきた。
「まだ速くても大丈夫よ」
少し速度を上げて勇気の横まで来た私がそう言うと、
「ではスピードを上げますね」
と言いさらに走る速度を上げた。
ボス部屋以外を走り続けていたが中層に着いた所で勇気が少し疲れてきていたので、一度転送板で一階に行きギルド内で休憩する事になった。
「はぁはぁ……自分でした事ですが、あんなスピードで一気に中層まで行った事が無かったのでさすがに疲れました」
「おつかれさま、はい、飲み物」
「麗奈さんは全然疲れてなさそうですね」
「まだまだ余裕はあるわね」
飲み物を買ってきて勇気に渡すと苦笑いをしながら言ってきたので私は笑いながら返答した。
「中層に行くまででも実力に差がある事が分かりました」
走り続けた持久力と速度の差もあるが、麗奈がボスを倒す時の攻撃を目で追うことが出来なかった事で、勇気は実力差を痛感していた。
「まぁ、私はラキナに行ってからモンスターと戦い続けてたし、修行もし続けていたからね」
それ以外にも異世界転移の特典なのか色々なスキルを最初から持っているのだが素直にそこまで言わなくても良いだろう。
「そうですか……日本の中じゃ上位の実力だと思って驕っていましたね、もっと頑張らなきゃな」
そう言った後、私が渡した飲み物を飲んだ。
飲み物を飲んで前を向く勇気の顔はやる気に満ちた表情になっていた。




