第124話
私と晴奈がソファに座り飲み物を飲むと、
「母さん、三日後なんだけど颯斗たちとダンジョンに行く事になったよ」
とカイトが報告してきた。
「あら、そうなの?晶さんに連絡取れたのね」
「はい、晶さんも子供と予定があるようで丁度良かったそうです」
菜摘には中学生と小学生の子供がいると聞いている。
「杏子ちゃんはピアノの発表会があるって言ってたよ」
何か予定があるのだろうと考えていると旭がそう言ってきた。
杏子ちゃん?と疑問に思っていると、
「菜摘さんの娘さんで旭の同級生よ」
「なるほど」
晴奈が説明してくれて納得する。
「友達とも連絡が取れて行けるって言ってました」
「沙希と澪にはカイトお兄さんとマリお姉ちゃんの事は言ってないから驚くだろうな~」
颯斗と理依奈も友達と連絡が取れたようだ、理依奈はサプライズしようと悪い顔をしている。
「みんなは私が守ります」
「みんなの練習なんだし回復だけで十分だからね」
「は~い」
マリも行くようで気合を入れているがマリが支援魔法を使うと練習にならないので注意しておく。
「マリちゃんの魔法って凄いの?」
「あっ!私も気になる!マリお姉ちゃんって聖女なんだよね?」
晴奈と理依奈が気になったのかマリに質問している。
「回復や肉体強化、結界魔法や水魔法などが使えます、回復でいうと生きてさえいれば治せますね」
ニコニコしながら質問に答えるマリにみんなが、
「えっ、どんな怪我でも治せるんですか!?」
「凄いわね~」
などと驚きながら反応していた。
「聖女って凄いんだね~」
旭がそう言うので、
「聖女が凄いって言うより、マリが凄いのよ、聖女のクラスを持っていても練習したりモンスターを倒したりしていないと軽い怪我しか治せないからね」
と補足してあげる。
「マリお姉ちゃん凄い」
「ありがとう」
旭がキラキラした目でマリを見て言うと、マリが照れながら旭の頭を撫でていた。
カイトの事や颯斗と理依奈が何階層まで行けるのかなどを話していた。
お風呂も順番に入って行き今は最後の啓介が入っている。
「そういえば麗奈は明日、何をするの?」
恵からの質問に少し考えてから、
「明日は流華に会ってこようかな」
「流華ちゃん?」
「うん、流華に久しぶりに会いたいし所属しているクランも気になるから行ってみようかなって」
流華の所属するクラン『大帝の翼』はネットで見た事はあるが、実際に行った事はないので行ってみようかなと思った。
「連絡はしたの?」
「してないよ、大帝の翼に行って聞いてみようかなって思ってる。居なかったら居なかったで大帝の翼の建物内に色々な施設があるようだから見てくるだけでも良いし」
してないと言った辺りで恵に呆れられた表情をされたが、急遽日本に来たのもあるのでいきなり連絡しても流華にも予定があるだろうし会えたら会うくらいの考えで良いかなと思っている。
「大帝の翼にも知り合いが居るんですか?」
「ええ、副リーダーをしているそうよ」
「えっ!雷帝の嵐山 流華さんですか!?」
「う~ん?流華で合ってるけど……雷帝?」
颯斗の質問に答えると理依奈がびっくりしたように流華の名前を口にしたが、名前の前に付いている二つ名だろう雷帝が気になってしまった。
「雷帝っていうのは雷を全身に纏わせ、槍で鋭い一撃を与えるスタイルとクラン名『大帝の翼』から帝を取って付けた二つ名です!有名な人には大抵二つ名が付けられててネットでも二つ名で言われてる事があります!私もあんな風に強くなってかっこいい二つ名をつけられるようになりたい!」
「へぇ~、そうなのね。強くなってかっこいい二つ名がもらえると良いわね」
「はい!」
理依奈が興奮気味に二つ名について語ってくれた。
ラキナでも二つ名を付けられている人はいた。
地球でも二つ名が付けられる話を聞きどこも同じなのね、と思いながらもネットがある分、世界的に広がるという事に恐ろしさを感じる。
私も昔、がむしゃらにダンジョン踏破を目指していた時に付けられた『孤高の殲滅姫』という二つ名があった。
好きじゃない二つ名だったのでラキナ全体に広まらなかった事を心の中で良かったと思った。




