第118話
駅を出てから実家までの道を歩きながら、
「ここがママが住んでいた町なんですね」
「そうよ、小さい頃はここで育ったのよ」
マリの言葉に昔を思い出しながら答える。
カイトが私の方を見て、
「渋谷よりも静かで落ち着いた場所ですね」
そんなカイトの言葉に私は、
「そうね、でもスーパーも商店街もあるし車で少し行けば大きなショッピングモールもあるから不便ではないわよ」
と答えて実家へと向かって行った。
しばらく歩き住宅街に入っていき、さらに歩いていくと実家へ到着した。
家の前に着くとカイトとマリに、
「ここが実家よ」
と言いインターホンを鳴らした。
しばらくすると、
「はーい」
返事が聞こえてきたので、
「お母さんただいま、麗奈よ」
と言うと
「開けるわね」
インターホンから返事が来て玄関の鍵を開ける音がして扉が開いた。
「いらっしゃい、待ってたわよ」
「ただいま」
「こんにちは」
「恵お婆ちゃん、こんにちは!」
出てきた恵に挨拶をされたので私、カイト、マリは挨拶を返した。
「三人とも中に入って」
恵の言葉に従って靴を脱いで家の中に入る。
中に入ると恵が、
「三人の泊まる部屋を先に案内するわね」
と言い私たちを客間に案内する。
客間は十畳程の洋室で壁沿いに布団が三枚畳まれた状態で並んでいた。
「この部屋を使ってちょうだいね」
そう恵に言われるとカイトとマリが部屋の中を確認するために入っていく。
「布団を並べて寝るにはちょうど良い広さですね」
「寝る時にしか使わないからな」
マリが部屋の広さに満足そうな顔をして言い、カイトも寝れたら良いと言う。
たしかに部屋といっても荷物は収納魔法に入れてあり、昼はダンジョンで活動しているカイトとマリにとっては部屋は寝るだけの場所なのだろう。
部屋の場所を確認した私たちは階段を降りてリビングへと移動した。
「何か飲むものを持ってくるわね」
恵がそう言って台所へ向かっていく。
ソファに座って待っていると台所からカチャカチャとお茶を準備する音が聞こえてくる。
数分後、恵がお盆に麦茶とグラスを乗せて戻ってきた。
「どうぞ」
「ありがとう」
テーブルにグラスを並べて麦茶を注いでくれたのでお礼を言って一口飲む。
恵も座りそのまま四人で話していると玄関の扉が開き誰かが帰宅してきた。
「ただいまー」
「ただいま」
挨拶をしながら颯斗と理依奈がリビングに入ってきた。
「二人ともおかえり」
「おかえり~」
「おかえり」
「おかえり、二人ともおひさしぶり」
「カイトさんマリさんよろしくお願いします、颯斗です、麗奈さん久しぶりです」
「カイトお兄さんマリお姉ちゃんよろしくね!理依奈です!麗奈お姉ちゃん久しぶりー」
「カイトです、二人ともよろしく」
「マリです、颯斗くんと理依奈ちゃんよろしくね」
SNSアプリのグループチャットで話していたとはいえ実際に会うのは初めてという事で改めて挨拶をしていた。
「二人ともとりあえず荷物を置いてきなさいな」
「はーい、ちょっと部屋に置いて来ますね」
「行ってきまーす、すぐ戻るねー」
学校から帰ってきて荷物を持ったままだった二人が恵に言われて荷物を片付けに部屋へと向かって行った。




