第110話
まきなつプロダクションの中に入ると、
「おかえりなさ~い」
「ただいまなのだー!」
「ただいま」
「ただいま~」
美穂が笑顔で挨拶してきたので挨拶を返していく。
「コーヒーマシンを使ってきたのだ!」
「ちゃんと使えた?」
「使い方は天音が教えてくれたのだ!」
「それは良かったわね」
ニコニコしながら美穂がフィアメールの報告を聞いていた。
「じゃあ、会議室に行くのだ!美穂またなのだ!」
「またね~」
フィアメールが奥へと向かっていき、サタレア、ルガル、バロストが追いかけて行った。
「はぁ……フィアメールちゃんは元気で可愛いですね」
去っていくフィアメールを見ながら、美穂が優しい顔で呟いていた。
「フィアメールは末っ子で人見知りもしないから、王城でも城下町でもみんなから可愛がられていたからね」
「そうなんですね、社長から『知り合いから魔族の子を紹介されたからプロデュースするわよ!』って言われた時にネットで調べたら、魔族は悪であり野蛮な存在って書いてあったから怖かったけど、フィアメールちゃんを見たらネットの情報と真逆な感じですね。フィアメールちゃんたちが特別なのでしょうか?」
「地球では魔族が酷い印象操作をされているけど、ラキナでは、日本と繋がってるアルタニヤ王国もそうだけど魔国と国交を結んでいる国があるくらいには魔族との関係は良好なのよ」
美穂がネットで調べた魔族に対する印象が間違いだと教えると、美穂は目を大きく開いて驚いた後、表情が和らいだ。
「それなら安心ですね。ネットで色々調べたんですけど悪い情報ばかりで本当にそんな方々と一緒に仕事をしていけるのかなって不安でした」
「その悪い情報を変えるためにフィアメールは頑張りに来たから手助けしてあげてね」
「もちろんです!」
「じゃあ、私たちは会議室に戻るわね」
「はい、頑張ってくださいね」
「ありがとう、美穂ちゃん」
そう返し、私たちは会議室に向かった。
階段を上り会議室に入ると、まだ菜摘は戻っておらず、フィアメールたちと天音がお菓子を開けようとしているところだった。
「あっ、みなさん来ましたね、いま渉くんが社長にあとどれくらいかかりそうか訊きに行ったので、お菓子でも食べながら待ちましょう」
長机の上に天音がお菓子の袋を開けて置いていくので、椅子に座りながら選んで食べていく。
みんなでお菓子を食べていると、扉が開かれ渉が戻ってきた。
「社長が『もう少しかかるからちょっと待ってね』だそうです」
「わかったわ、まぁフィアメールのこと以外に色々仕事を増やしちゃったし仕方ないか」
渉の言葉を聞き仕方ないわよねと思い、お菓子をつまみながら菜摘を待つ事にした。




