第107話
渋谷駅に戻り電車で一駅移動した。
目的地はそう遠くなく駅から10分程の、駅前の喧騒から抜けた落ち着いた場所だった。
「ここがまきなつプロダクションよ」
私たちの目の前には3階建てのコンクリートの建物が佇んでいる。
「なんだかレトロな建物ね」
私は懐かしさを感じさせる雰囲気にそう呟く。
「外は古いが中は新築同様にリノベーションしてあるから綺麗だぞ」
晶がそう言いながら中へと入って行くので後に続いて入っていく。
「美穂ちゃん、おつかれさま」
「晶さん、お疲れさまです。おかえりなさい」
受付の女性が笑顔で迎えてくれた。
ショートヘアで小柄な彼女は動きやすそうなシンプルな制服を着ていた。
晶が女性の横へ行き、
「皆さん、こちらがうちの受付担当の上江美穂ちゃん」
「初めまして、上江 美穂と申します。皆様の事は社長から聞いていますので、これからよろしくお願いします」
そう言って美穂が私たちに会釈した。
「風花 麗奈よ、これからよろしくね」
と私は軽く頭を下げた。
「フィアメール・ランレインなのだ!よろしくなのだ!」
私の次にフィアメールが続き、みんなが挨拶していく。
みんなの挨拶が終わった所で、
「じゃあ、中に行こうか」
晶に廊下を案内されて階段を上がり三階の会議室のような部屋に案内された。
椅子に座ってしばらく待つとドアが開かれた。
「みんな、お待たせ」
会議室に菜摘が入ってきた。
そのまま前に立ち、
「じゃあ、これから今後の方針を決めていきます」
と大きな声で言ってきて、続けて、
「まずはカイトくんとマリちゃんの方針を決めましょうか。二人は基本的にはダンジョン配信をしていく事になるから晶に教えてもらっていく感じね」
「カイトとマリちゃんは麗奈さんの実家に泊まる事になったから俺が家に迎えに行ってダンジョンに行くのと、編集などの勉強だな」
菜摘の言葉を聞き晶が方針を続けていった。
「後は二人ともSNSで話題になっている間に動画のチャンネルと活動用のSNSを作って宣伝しなきゃですね!」
天音がチャンネルやSNSを早めに作った方が良いと付け加えた。
「そうね、話題になっている間に挨拶の動画を作って動画チャンネルとSNSにあげましょう。それにしても、カイトくんとマリちゃんは麗奈の実家に泊まる事になったのね」
「そうなのよ、昨日お母さんに電話して今日から泊まっていいか確認して了承を得たわ」
天音の言葉を聞き菜摘が頷きながら答えた後にカイトとマリが実家に泊まる事を知らなかった為、私が電話で確認した事を伝えた。
「それならカイトくんとマリちゃんは、明日にでも挨拶動画を作りましょうか」
「了解です!」
「わかりました」
菜摘の言葉にカイトとマリが答えた。
「とりあえずはカイトくんとマリちゃんの予定が決まったから次はフィアメールちゃんたちの方針ね」
カイトとマリの話が終わったので、菜摘がフィアメールたちへ向かってそう言った。




