焦る婦人とユニチカ
夜が透明に更け
人が活動している気配がなくなった頃
フランは行動を開始した。
荷物は枯れ草が沢山積もってる場所に
窓から落とした。
なるべく身軽にしないと後が大変と考えたからだ。
最低限の物を肩掛けの鞄にしまう
(ランプ、保存食のパン、ナイフ等)
靴は音がすると厄介だから片手に持った。
さて、広い屋敷だ。
どこから調べるのが妥当だろうか?
片っ端から調べるのが良いが
見つかる危険性は高い。
どうしようか?と彼が悩んでいると
どこからか人の話声が聞こえた。
どうやら声は暖炉の間からだ。
ドアに近づき、耳を澄ませる。
ジュリアス婦人の声ともう一人?
女性とも少女とも取れる声だ。
『ユニチカ様。またフランがこの屋敷に来てしまいました。』婦人の焦り気味の声が聞こえる。
ユニチカ?来てしまった?私の訪問は想定外だったのか?
するともう一人がなだめる。
『ジュリアス。まあ落ち着きなさい。まだ私の存在もこの屋敷の秘密もあやつはわかってないだろう。』
ユニチカと呼ばれたその人物は落ち着き払った声で彼女を諭している。
『しかし、何故です。フラン様の話だとこの屋敷とは反対の地域に旅をしてるようでしたのに。どうしてまた?この屋敷に戻ってきたような行動としか。』
中の様子はわからない。
ただわかってるのは、[この屋敷には婦人たち以外の何者かがいる。]
それだけはわかった。




