表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼の友人は彼女の敵  作者: 石月 ひさか
疑心暗鬼
72/90

2

「はぁ、疲れた。風呂入りたいな」


「わかったわ」


雑誌をソファの隙間に隠し、風呂場へ行ってお湯はりのスイッチを押す。


ついでに洗濯のタイマーを入れようと覗き込んだ時、妙に量が多い事に気付いた。


「なんで、こんなに?」


平日の公一は基本的にスーツだ。


その為、彼の洗濯物は下着とワイシャツ、それに靴下くらいなのに、私服が混ざっていた。


白いTシャツに黒いパンツとシンプルなものだが、妙に引っ掛かった。


Tシャツを手に取り、匂いを嗅ぐ。強い煙草の臭いがした。


一体これを着てどこに行ったのだろうか。


考えながらリビングに戻ると、そこに公一の姿はなかった。


鍵はあるため、外には出ていないのだろう。


トイレにでも行ったのかなと考えていると、寝室から微かに話し声が聞こえてきた。


いつもは開けっぱなしのドアが閉められている。


そっと近付き、ドアに耳を当てる。どうやら、誰かと電話をしているらしい。


「だから、平日は電話してくるなって言っただろ。──あぁ、土曜日にいつもの店だろ」


小声で話しているらしく、所々聞き取りにくい場所はあった。だが、相手は間違いなく取引先等ではないだろう。


「だけど、いい加減これきりにしてくれよ。前にも言っただろ?俺にも家庭があるんだ。毎週毎週家を空けるわけにはいかないし……。はぁ?馬鹿な事言うなよ」


一体誰と会話をしているのだろうか。


せめて相手の名前だけでもわからないかと耳を澄ませていると、浴室から大きな機械音と共に『お湯はりが終わりました』という軽快な声がした。


「び、びっくりした……。心臓が止まるかと思った」


胸に手を当て、蛇口を閉める為にバスルームへ向かう。


リビングに戻ると、お湯はりのアナウンスが聞こえていたらしく、着替えを持った公一が寝室から出てきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ