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最近、公一の様子がおかしい。
ダイニングテーブルでパソコンのキーボードを打っている公一の背中を見ながら、深雪は密かにそう思っていた。
理由は2つある。
1つは妙に休日出勤が増えた事だ。
最近は仕事が忙しいと言い、土曜日は必ず仕事に行く。
初めはせっかくの休みなのに大変だなと同情していたのだが、それが毎週続くと不満に思えてきた。
大体、何故決まって土曜日なのか。
仕事にしては出て行くのが遅いし、帰りも早い。
21時に家を出て、朝方に帰ってくるなんて、一体どんな取引先なのか。
2つ目は深雪に対しての行動だ。
仕事から帰る度にお土産とやらで、ケーキや花束、先日は記念日でもなんでもないのに、指輪をくれた。
理由を問うと、取引先の店に深雪に似合いそうなものがあったからだと、よくわからない事を言っていた。
後で値段を調べた所、有名ブランドのもので、日本の銀座店限定のモデルだった。
値段は80万円。
いくら金には余裕があるとはいえ、似合いそうだからと、ぽんと買える金額でもない。
そしてここ何週間も、行為をしていない。
以前は少なくても週に2日はしていたのに。
必要以上にスキンシップを取る事もなく、ただ淡々と一緒に生活をしているだけになっている。
深雪は軽く眉を寄せ、手元にある雑誌に視線を戻す。
そこに書かれていたのは『彼氏・旦那の浮気チェックリスト』だ。
何項目かあり、当てはまるものにチェックをいれていく。数が多いほど浮気の可能性が高いらしい。
記事にはこうも書かれている。
男が浮気をすると、夜の生活が激変する。その反面、妙に優しくなると。
「……90%」
今の公一は、記事を鵜呑みにすれば真っ黒だ。
だが核心的な証拠がない。
そんな事を考えているとは知らずに、公一は真面目な顔でキーボードを打ち続け、溜め息を吐いて伸びをした。




