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社長は深雪の事になると、暴走しがちだ。
話を終えた瑞穂は、溜め息を吐きながら秘書室へと戻った。
普段は頭がキレるし、指示も的確なのに、どうしてプライベートなことが絡むと空回りしてしまうのだろうか。
あれでよく、深雪が秘書課で働いていてボロを出さなかったなと感心してしまった。
席に戻ると、とたんに優が駆け寄ってきた。
「連日呼び出されるなんて大丈夫か?一体、どんな恐ろしいミスをしでかしたのさ」
「え!?いやぁ、ミスとかじゃなくてそのー。ちょっと会議とかの確認とか、そーゆー感じで」
アハハと空笑いすると、仕事の続きをする為にパソコンをつける。
「会議とかの確認って……なんでそれをアンタに?社長の担当はキャリアさんだろ?」
確かに瑞穂の担当は専務であり、社長は一番の古株の華江だ。
「えーと、平岸専務と社長が関わる会議の話だったんです。だからスケジュールがどうなっているかとか、擦り合わせの為で」
「あぁ、なんだ」
やっと納得したのか、優は自席に戻って行く。
瑞穂はキーボードを打ちながら、室内を見回す。
今いるのは、優とさゆりだ。
あいにく華江は外に出ている。
「あのー。長女さんと艶子さん。日曜日って何か用事あります?」
「別に、今のところはなにも」
「私もないわよ」
「えっと、じゃあどこかに遊びに行きませんか?深雪ちゃんも誘って!」
そう言うと、優は「いいね」と答えた。
「ちょうど給料日後だし。あぁ、でも深雪ちゃんは大丈夫かな?」
昨日も断られたし、忙しいかもしれない……とぼやく。
「まぁ、昨日は急でしたから。前以て言っておけば大丈夫じゃないですかね」
「確かにそうか。深雪ちゃん結婚してるんだもんな。旦那さんの許可もいるだろうし」
「許可もらえれば良いわよねぇ。日曜日なら旦那様もお休みだろうから」
「……」
どうやら2人とも、深雪の旦那の事をすっかり忘れているらしい。
それほどまでに、社長と深雪を繋げるイメージが少ないのだろう。
せっかくだから、深雪の誕生日であること、社長に頼まれた事も話しておこうかと思ったが、やはり止めた方が良さそうだ。
「じゃあ深雪ちゃんには行っておきますね。どこ行こうかなぁ」
仕事を中断し、ネットサーフィンに興じる。普段ならバレれば大目玉を食らうが、今回は社長公認だ。多少は大目に見てくれるだろうと、仕事そっちのけで日曜日のプランを考えていた。




