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戦隊モノのようだ

ドレスを着せられ、装飾品で飾られた私は、その手にメリケンサックのメリ子さんを装着した後、アルにエスコートされて王様の待つ謁見の間に居た。


デカイ重厚な扉を開けると、深紅の絨毯が玉座まで一直線に敷き詰められており、気分はファンタジーのゲームの世界である。


最奥の玉座には王様が座っており、その横には第一王子から第三王子まで並んで立っている。


いや…なんというか爽快な眺めである。


王様は威厳に満ちたナイスミドルを想像していたのだが、実際にはお腹ポヨンポヨンな温和そうな感じだった。

あのポヨンポヨンなお腹をたぷたぷしたいです。


そして初めて見る第一王子と第二王子を見てビックリ。

第一王子は赤髪に正装していても分かる程の逞しい体つきのイケメンで、第二王子は緑髪の眼鏡が似合う爽やかなインテリ風イケメンだった。


もう、アレだね。特撮戦隊モノに出てくるような面子だね。


赤髪の第一王子がリーダーで、緑髪の第二王子と青髪の第四王子が良き仲間。金色髪の第三王子は黄色と見立ててカレー好きにでもしておこう。

ピンク髪のロズさんも仲間に加えたら、あらビックリ特撮戦隊ヒーロー集合だ。


ちなみに、黒髪の私と銀髪のウラディミールさんもこっそりと付け加えるならば、戦隊ヒーローの仲間ではないが、時に手を差し伸べる新たなる仲間――的な何かでお願いします。更に付け加えるならば、黒は敵に寝返るパターンありで妄想するのが好ましい。


そんなどうでも良い事を妄想しながら頭を下げると、王様から「面を上げよ」と言われた。

言われた通りに顔を上げると、優しそうな笑顔でこちらを見てくる。まるで某バスケ漫画に出てくる安西先生のようだ。


「そなたがミナであるな。此度の活躍は聞いている。魔王暗黒竜を討伐してくれて感謝する」


流石は一国の王様だ。礼の仕方も上から目線である。


「して、そなたが使っていた聖剣も今は役目を終えたであろう。こちらへ」


王様が言うと、傍で待機していた王様付きの騎士であろう人物が近付いてくる。手から外したメリ子さんをその人に渡すと、え!?というような顔をされた。


「今は聖剣の姿じゃありませんが、歴とした聖剣ですよ。私はメリケンサックとして使用していました。メリケンサックのメリ子さんです」

「はぁ」


呆れたような溜め息を吐いてメリ子さんを王様の元へと運んでいく。何故溜め息を吐いたし。


「ほぅ今代の勇者は近接戦闘派だったか」


繁々とメリ子さんを見ながら王様が頷く。流石は一国の王様だ、聖剣のどんな姿にも動じないとは。


「ミナよ。そなたはこの国の…いや、ガイアスロイの英雄だ。各国にもそなたの偉業は轟いているだろう。望む物があるのならば、何でも言うが良い。富も権力も、伴侶すら望みのままだぞ」


王様はそう言うとチラリとアルに目をやる。私とアルの事バレてるし。


「私は元の世界に還りたいと思っています。ですので、こちらの世界での権力は要りません」

「ほぅ」


私の言葉に王様は自身の顎を撫でる。あの顎もたぷたぷしたいな。


「ですので富だけ頂きたいです」

「富?」

「はい。金貨を頂きたいです。暗黒竜が隠し持っていた金の一部を…。残りは是非めちゃくちゃになった町や村、各国の復興に充てて下さい」


私のその発言に対して、何故か楽しそうに王様は笑った。


偽善者ぶってんじゃねぇ、とでも思われたかもしれない。


「気に入った。我が息子を捨てて故郷に帰ると言いつつ、さりげなく注文までしていくとは――もしも、そなたがガイアスロイに戻りたくなった暁には、我が国が手厚く歓迎しよう」


ちょ!?捨てるとか言うなよ!

騎士さん達が微妙な目で見てるだろ!


こっそりとアルを見ると、苦笑いしていた。アルごめんなさいぃぃ。






◇◇






あれから割と早めに退出できた私は、アルと散歩がてら以前連れて来てもらった薔薇の庭園を二人で歩いていた。


「一国の王子の求婚を断るのなんてミナ位だな」


さっきの話を思い出すように、笑いながらアルが呟く。


「アルに恥をかかせてしまってごめんなさい…」


項垂れていると、優しく頭を撫でられる。


「気にしていないさ。ミナが還りたがっていたのは知っているしな。それでも求婚したのは俺なんだから」


アルの優しさに救われる。この人の、こういう所が大好きだ。


「その代わり、元の世界に戻るまでは離さないからな」


耳元で甘く囁かれて危うく転けそうになったのは内緒だ。


「そ…それは私も同じです。でもお仕事はきちんとして下さいね」

「当たり前だ昼間は仕事をする。その分夜は寝かせないからな」


更に言い含められて、恥ずかしさにアルの胸に顔を埋めて熱を逃がす羽目になったのだった。


アル肉食すぎます。





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