表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/53

昨夜はお楽しみでしたね

表現にR15が含まれます。

目が覚めると眼前にはアルの寝顔があった。


ビビった。


美形の寝顔は寝起きに悪い。危うく心臓が止まるかと思った。


私の腰に回されたアルの腕や、互いに裸で寝ていた姿に、昨夜の出来事が夢ではなかった事を実感する。


やってしまった。


アルは凄く優しくて紳士的で。昨日の出来事を思い出して体が熱くなる。


「ん…」


アルが、掠れたような声を発してうっすらと目を開く。


「ミナ…おはよ」


寝起きの掠れ声に、甘々の蕩けそうな笑顔を向けられ、憤死しそうになったのは言うまでもない。


「おおお…おはようごじゃいましゅ」


あ、噛んだ。


それに気付いたアルは、キョトンとしていたかと思うとクスクスと笑いだす。


「お…おはようごじゃいましゅ、って…ははっ」


肩を震わせて笑い続けるアルの頬をつねってから起き上がる。


はらりと捲れた上掛けの下からは、私が処女だったという証が残っていた。


恥ずかしくて、咄嗟にそれを隠すがアルにもバッチリ見えていたようで、私はアルの腕の中に引き込まれていた。


「ミナ好きだ。お前の初めてを貰えて嬉しい」


そう言うと唇を重ねられる。そのまま押し倒される形となり、あろうことか「我慢できない」と言われて朝から食べられてしまった。


アル…肉食系なんですね。






◇◇






結局解放されたのは昼過ぎになってからだった。それまで寝台から出る事を許されなかったのには参った。初心者なんですが…私。


痛む腰を擦りながら王宮に戻ると、何故だか私の部屋にはセオ王子とウラディミールさんが居て、セオ王子はニヤニヤしていた。ウラディミールさんに至っては「ミナ様、後で回復魔法をお掛けしますね」と小声で言われてしまった。


穴があったら入りたい。


ジロリとアルを睨むと素知らぬ顔だし。






「国王と謁見できるようになったよ」


大量のクッションを敷いてもらったソファに座って紅茶を飲んでいると、セオ王子からそう言われた。


「国王様ですか」

「うん」


私の復唱にセオ王子が頷く。

国王様と言えば、アルやセオ王子達のお父さんで、暗黒竜の件で面会謝絶だったようだが。


「もう体調はよろしいのですか?」

「お陰様で回復したみたいだよ。ただ、近々王位を第ニ王子に譲って隠居するみたいだけどね」


何でもない事のように言うセオ王子。

って、王位を譲るって?しかも第ニ王子に!?


「第一王子ではなく第ニ王子なんですか?」

「そうだよ。第一王子は机にかじりついて政務を行うよりも隊を率いて国を守る方が性に合ってるみたい」


私の驚きも気にせずセオ王子はあっさりと返す。


成る程、俗に言う脳筋と呼ばれるやつなのかもしれない。


「第ニ王子も今回の件で国王にかわって国を纏めた評価が高くてねぇ…満場一致ってやつかな?」


確かに、暗黒竜の件で酷い有り様だった国が暴動もなく何とか機能していたのは、第ニ王子の手腕による所が大きいのかもしれない。


「セオ王子とアルはどうなるのですか?」


勇者召喚や暗黒竜討伐において、一番の功労者は二人だと思うのだが。


「僕は元々臣下に降るつもりだったからねぇ。褒賞は結構貰えるみたいだし、それを元手に新しい魔法の研究をするつもり」

「俺は兄上達と共に国の復興を手伝うだけだ」


爽やかな二人の笑顔に自然とこちらも笑顔になる。良かった。


「ちなみに私は神官長として、日々精進するつもりです」


聞いてもいないのにウラディミールさんが申告してきた。てか、忘れてた。ごめんなさい。ウラディミールさんが居なかったらアルが死んでいたかもしれなかったと言うのに。


「ウラディミールさんも頑張って下さいね」


取って付けたような笑顔で応援しておいた。

ウラディミールさんの、そこはかとない恨みまがしい視線は気にしないでおこう。


「じゃあ国王との謁見ではアルにエスコートを任せるから」


ダラダラと会話をした最後にそう締めくくり、セオ王子とウラディミールさんは部屋を出て行った。


「緊張して吐くかも…」

「そんなに気負わなくても大丈夫だから」


アルは、優しく私の頭を撫でてキスをすると「無理させたからな、ゆっくり休めよ」と言って部屋を後にした。


うがぁぁぁ!は、恥ずかしすぎる。

チラリと部屋の隅を見ると生温かい表情をしたロズさんと目が合う。


い…居たたまれないデス。


ウラディミールさんの魔法のお陰で、痛みの引いた腰を何となく擦りながら私はこっそりと寝室へと行くのだった。






区切りの関係で短目となります。


ロズ「ミナ様ったら恥ずかしがっておいでなのですね…お可愛らしいですわ。アルバート王子は今夜ミナ様の元へといらっしゃるか、ミナ様がアルバート王子の元へとお召しがあるかもしれないから精のつく料理を用意しないと♪」


侍女の予想はあながち外れてはいないのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ