隷属の味ってどんなですか?
R-15的な描写があります。閲覧にはお気をつけ下さい。
「あの…血は何かの容器に容れるのでしょうか?確か血液は時間が経てば固まってしまうのですが…あとあんまり多く血を抜くと貧血になってしまうので、そんなに抜けませんよ」
結局セオ王子の要望を聞く羽目になったので、仕方なくどのような採血方法で血を渡すのかを聞いてみた。
「大丈夫だよ直接ガブ飲みさせてもらうから」
直接ガブ飲みとはどういう意味だろうか?
頭にハテナマークを浮かべていると、にっこりといい笑顔でセオ王子はソファから立ち上がると、私の背後に回り込む。
「君のここから直接もらうよ」
そう言うなり首筋にひんやりとした感触を感じた。
「な!?何を言って…!?」
首筋に触れる冷たい感触が、セオ王子の手だと分かると私は慌てて身を捩る。手を離してくれるかと思いきや、そのまま肩に手を滑らせてきた。
動作が手馴れている。
というか初対面の相手に何というセクハラ。現代日本であれば、間違いなくコンプライアンスに相談である。
突然のセオ王子の行動について行けなかったが、さりげなく手を退ける為に距離を取ろうとしたが、しっかりと肩を掴まれてソファに座ったまま身動きがとれないでいた。
「過去の歴史書を読んでいた時に知ってから、ずっと異世界人の血が飲みたくて仕方がなかったんだよね。君が召喚された時も少しだけあの場にいたけど、直ぐにこっちに戻ってきちゃったから話も出来なかったし、本当はもっと早く君に会いたくて仕方がなかったんだけど、忙しくてなかなか都合がつかなかったんだよね」
セオ王子は言いながらも、決して肩を掴む手の力を緩めない。気のせいかその手が熱く感じる。
「やっと会いに来れて嬉しいよ。しかも女の子で良かった…どうせ飲むならおっさんの血とか勘弁してほしいからね」
蕩けるような笑顔で囁かれた。
この笑顔だけを見れば、世の女性達からは黄色い悲鳴が上がる事間違いなしなのだが、如何せん言っている内容は変態のそれである。
「えっと…セオ王子の異世界人の血に対する情熱はよく解りましたので、手を離しては頂けないでしょうか?」
私の言葉に「今すぐ飲ませてくれるのなら良いよ」と返された。
そんなに飲みたかったのか…。
「それは構いませんが、指先とかでは駄目なのでしょうか?」
首筋とか絶対に嫌だ。構図がエロくさいし、なんだかいやらしい。
エロもいやらしいも同じような物か。
「こっちじゃ駄目なの?」
言うが早いか、セオ王子の唇が私の首筋に触れる。生温かく柔らかいその感触に恥ずかしさで体がカッと熱くなる。絶対に今顔が真っ赤だ。
「指先とかじゃ駄目ですか?」
恥ずかしくてセオ王子から顔を背けて呟くと、「恥ずかしがるミナを後ろから見つめながらのがいいな」と、首筋に唇を宛てたまま返してくる。
もうヤダこの変態王子。
「痛く…しないで下さい」
さっさと終わらせたくて、俯いたまま目をぎゅっと瞑って返す。
「一瞬だけチクッとするから我慢してね?」
言うが早いか、首筋にチリッとした痛みが走ったかと思うと、それはほんの一瞬の出来事で、代わりに生温かい物がそこを這うのを感じた。
その生温かい感触が舌だと理解した瞬間、羞恥で先程までとは比べ物にならない位に身体中全てが熱くなった。
首筋に何度も舌が這わされ、たまに唾液を飲み込むゴクンという音が真後ろから聞こえてくる度にびくりと震えてしまう。それをひたすら目を瞑って耐える。
「んっ…ぁ…」
擽ったさに思わず変な声が出てしまった。
自分の口から溢れたそれに驚いて目を開けると、応接間に飾ってある鏡越しに写る、私の後ろから血を吸っているセオ王子の目と合った。
「いい声…もっと聞かせて?」
鏡越しに私を見つめながら、そっと甘く囁かれた瞬間、気を失いたくなった。
気は失えなかったけども。
涙目になりながら、ちらりと目線をセオ王子に向けると熱を孕んだ目とかち合う。
情欲に溢れた眼差しで「隷属の味がする」とか訳の分からない事を呟いたかと思うと、そのまま舌を這わせ続ける。
隷属の味って何なのさ。
結局血が止まるまでの間、ひたすら首筋に唇と舌を這わせられ続けるという、これ何てエロゲー?な状態を我慢する羽目になりました。
ちなみにセオ王子以外にも私の血を飲んだ人物が居るかを聞かれたので、ウラディミールさんの名前を言ったら「あのエセ神官…」とブツブツ呟いていたが、詳しくは聞かないでおいた。
「ミナの甘くて芳醇な甘露のような血は僕の物だから、もう他の奴には飲ませちゃ駄目だよ?」
いや…そんな事を言われましても。
とりあえず初対面で何だけど、セオ王子は魔法は凄い(自称)が変態属性持ちという事だけは充分に分かりました。
それにしてもウラディミールさんといいセオ王子といい、傷口に唾液付きの舌で止血?されたけれど、異世界人の体液は人体に悪影響が無い事を祈る。




