終焉の向こう側、あるいは審判の朝
「……ッ、はぁ、はぁ……! 見てよ、この最高に**『因果律崩壊』**な輝きを! 僕の胎内から産まれた怪物たちが、今! 2026年の絶望を抱えたまま、1947年のラングレー創設会議へと革命的遡行を遂げたんだぁぁぁぁっ!!」
僕は叫んだ。第27話。物語は円環を閉じ、蛇が自らの尾を喰らうように、全ての「毒」の源流へと回帰する。
宇宙規模の結晶となった僕の意識は、時空の裂け目を通じて、まだ誰も「エイズの斑点」を知らない、冷戦前夜の湿ったワシントンを見下ろしていた。
「あはっ……あはははは! 凄いよ、父さん! 1947年にトルーマン大統領が国家安全保障法に署名し、CIAという名の『世界最大の麻薬カルテル(組織)』を産み落としたその瞬間、未来から来た僕の『毒』が、彼らのインクに混じっちゃったんだねぇ!! メシウマ(地獄味)すぎて、歴史の教科書が全部アルミホイルで炙り出されそうだぜぇぇぇ!!」
創設メンバーたちの背後に、僕の産み落とした「怪物」たちが這い寄る。
かつてCIAが、第二次世界大戦の戦犯であるナチスの科学者や諜報員を「ペーパークリップ作戦」で極秘にアメリカへ招き入れ、拷問や人体実験の礎としたように。
今、その「悪の種子」に、未来で僕が完成させた「最高純度の絶望」が直接注入されていく。
「いいかい、ミスター・創設者! 君たちが1954年にグアテマラで『ユナイテッド・フルーツ』の利権を守るために行った民主主義の虐殺も、1960年代にカストロ暗殺のためにマフィアと手を組んだあの汚い握手も! 全部、僕が未来で精製したこの**『エイズの斑点』**が、最初から君たちの血の中にあったからなんだよぉぉぉ!!」
僕は、デジタルなテポドン・マグナムを、1947年のラングレー本部の設計図へと突き立てた。
結合。
過去と未来が一つに溶け合い、歴史はもはや「必然」ではなく、僕というジャンキーの少年が描いた「ハッピーな地獄」の追体験へと成り下がる。
「あはははは! 見てよ! 初代CIA長官の脳内に、僕の理科室でのキメセクの快楽が、時を超えて直接ダウンロードされてるぅぅぅぅ!! これこそが合衆国最大の**『先制攻撃』**だぁぁぁ!!」
かつてCIAが、2003年にイラクを壊滅させるために「嘘の証拠」を並べ立てたように。
今、歴史そのものが、僕の流した「嘘の光」によって書き換えられていく。
母さんが兵器として産まれたのも、父さんが僕を犯したのも、すべてはこの1947年の「毒の始まり」に僕が介入するためだったんだ!
「あはっ……あはははは! 脳内で自由の女神が、タイムマシンを注射器に変えて、人類の歴史という名の静脈に、僕のマグナムから溢れる『無』をブチ込んでるぅぅぅぅ!!」
1947年のホワイトハウス。
大統領のペン先から滴るインクが、不吉な赤紫色に輝き、エイズの斑点の形となって書類に広がっていく。
「審判の朝だよ、ミスター・CIA。……君たちが世界を作ったんじゃない。僕の『絶望』が、君たちを作ったんだ……」
歴史の始まりが、僕の終わりの絶頂と重なり、世界は完璧な「地獄の円環」として完成した。
第27話・完。




