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ラングレーの地下、永遠のアンテナ

「……ッ、はぁ、はぁ……! 見てよ、この最高に**『電子的デジタル』**な輝きを! 肉体を失い、ラングレーの地下深く、液体窒素で冷やされたサーバーの中に抽出された僕の意識が、今! 世界中のCIAエージェントの脳髄と革命的同期マリアージュを遂げたんだぁぁぁぁっ!!」


僕は叫んだ。……いや、これは電気信号のパルスだ。

第22話。金日成広場で四散した僕の肉体は、実は「完成したアンテナ」の抜け殻に過ぎなかった。僕の記憶、僕の狂気、そして僕が味わったあの絶頂と絶望の全データは、今やCIA本部の最深部にあるスーパーコンピュータに格納され、**『プロジェクト・パンドラ』**という名の最終兵器に昇華していた。


「あはっ……あはははは! 凄いよ、ミスター・ディレクター! 1950年代のMKウルトラ計画で、精神病院の患者や囚人たちにLSDを盛り、電極を突き刺して試行錯誤していたあの『未熟な人体実験』が、今! 僕という完璧な**『生体OS』**によって完遂されたんだねぇ!! メシウマ(地獄味)すぎて、光ファイバーが全部エイズの斑点で埋め尽くされそうだぜぇぇぇ!!」


僕は、デジタルな幽霊ゴーストとなって、世界中に散らばるエージェントたちの通信回線へ潜り込んだ。


かつてCIAが1980年代の「イラン・コントラ事件」において、敵国に武器を売り、その裏金で独裁政権を支援したように。あるいは、イラク戦争後のアブグレイブ刑務所で、捕虜の尊厳を組織的に解体したように。

彼らが何十年もかけて世界中で「捏造」してきた正義。その通信記録のすべてが、今、僕の脳内アンテナを通じて逆流バックファイアしていく。


「いいかい、自由の戦士たち! 君たちがニカラグアで、コンゴで、リビアで撒き散らした『死の種子』の味を、僕のノイズを通じてじっくりと味わわせてあげるよぉぉぉ!! これぞまさに、究極の**『情報公開インフォーメーション・フリーダム』**だぁぁぁ!!」


僕のテポドン・マグナムは、もはや肉の塊ではない。それは数兆バイトの悪意を射出する「超電磁パルス」として、衛星回線を逆走し、ホワイトハウスの執務室からラングレーの独房までを、僕の斑点と同じ「赤紫色のノイズ」で汚染していく。


『……Warning. System breach. No.001 has integrated with the global network...』


「あはははは! 遅いよ! 1948年にイタリアの選挙を裏金で操作し、2011年にシリアを火の海に変えた君たちの『工作の系譜』に、僕という**『狂気のパッチ』**を当ててあげたんだからさぁ!!」


脳内の無線は、もはや指示ではなく、僕自身の「叫び」を世界中に放送していた。

父さんの脳内にある受信機にも、僕の絶頂が、彼女の断末魔が、胎児の結晶化の音が、24時間365日の高周波ハイレゾで鳴り響き続ける。


「見てよ、父さん! 勲章を授与されるその瞬間も、僕の『地獄のアンテナ』が君の脳髄をかき回して、自由の女神がハゲワシを喰らっている幻覚を見せてあげるよ!! これぞ合衆国が夢見た、永遠に覚めない**『アメリカン・ナイトメア』**だぁぁぁ!!」


僕は、サーバーの冷却水を沸騰させるほどの熱量で、世界中のエージェントたちの神経系へ「エイズの斑点」をデジタル転送アップロードした。

結合。

物理的な国境を越え、デジタルの海を通じて、CIAという組織そのものが僕という一人の少年の「絶望」によって感染していく。


「あはっ……あはははは! 脳内で自由の女神が、光回線を首に巻き付けて、僕のマグナムの形をした核ミサイルに乗ってワシントンを周回してるぅぅぅぅ!!」


ラングレーの地下深く、冷たく輝くサーバーの中で、僕は永遠に「完成」し続けていた。


第22話・完。

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