お腹いっぱい(レイエ視点)
魔物だ!魔物だ!魔物だ!
飯だ!飯だ!飯だ!
俺は喜び勇んで、這い進む!
確かに、俺はデカいイモムシで醜いぜ!
でも、魔界にはもっと醜い魔物がたくさんいるんだ。
これだけの濃い邪気だと、ここに住んでる魔物も極上に違いねー!
ほらな、魔物がいた。
俺の目論見通りだ。極上の邪気を持ってやがる。
俺はでかい口を開けて、その魔物を一飲みした。魔力が、邪気が俺の体に、魂に満ちていく。
俺は人間は食わねー。
俺が食うのは魔物だ。
だから、魔界にいられなくなって、人間界に逃げ出した。
そして、王家と契約しちまってこき使われている。それが、俺だ。
次々と現れる魔物を鯨飲していく。こいつは苦いが関係ねー。
濃縮された邪悪な魔力で、体に力がみなぎる。
空腹が、数百年ぶりに満たされていく。
最後にいた魔物も俺の敵じゃなかった。
俺はやっぱりそいつを頭から飲み込んだ。
そして、魔道具のコアも破壊しようと思ったが、こいつも上質な邪気を含む魔石だったから食った。
空間が消失し、元へと戻る。
俺は魔法で姿を消し、辺りを確認すると、大量の人間が血を流しながら倒れていた。血や排せつ物の匂いが充満し、反吐が出そうな気分だ。
豪華な内装も血でまみれて、台無しだ。
そんな中、メルヴェーユは眉一つ動かさず、椅子に座っていやがる。まるで何事もなかったかのように、平然としていた。
こいつ、頭の中はどうなってんだ?
奴は一言。
「ご苦労。帰っていい。ちゃんとメリッサを守れよ」
おい、本当にお前は頭がどうなってんだ?虫でも湧いてんのか?
そんなこと訊いたって、答えるわけねーよな。
安心しろよ。
あいつは一人でも山の中で平気で生きていけるぞ。
守ってほしいのは俺の方だよ。




