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メリッサちゃんは王様のかわいい召使  作者: 桜雨実世


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お守り作り

 今日は有給休暇をもらったので、テレサさんの所に行っています。

 レイエさんも一緒ですが、こころなしかぐったりしています。


 ちなみに、何回も休暇願いを出したのですが、なかなか許可をもらえなかったのです。


 でも、夜中にこっそりお城を抜け出そうとしたのを王様に見つかったら、有給休暇をもらえました。


 人間やればやれないことはないのです。ランラン。


 今日も酒場ふきだまりがある場所は、いつもどおり、おじちゃんが壁に向かって、「お、俺は強いなぞー!」って言いながら、頭突してます。


 このおじちゃんはいつもお酒の臭いがしていて、目がすっごく輝いています。こういうのを少年のような目っていうのでしょうか。


 ここはいつも通りです。


 私はふきだまりに入る前に、ふと、

「イモムシさん。連れてきてあげればよかったけど、私がお城を出る頃にはいなかったです」


「しょうがないですよ。イモムシさんだって形が変わることもあるんじゃないんですか? ハハハ」

 レイエさんが乾いた声で言いました。


「イモムシさんとおちん◯さんでヤクの禁断症状に苦しむ患者さんを助けるゴッコしたかったです」

「やりたくないですよ、イモムシさんは」


「え?」

 私はレイエさんを見ました。

「え?」

 レイエさんも私を見ました。


 お店の外に、テレサさんが出てきました。

「メリッサちゃん。今日はお仕事休み? おいで」

「はい」


 お店の中にはエチカさんがいて、何かを作っていました。


 私はそれよりもテレサさんに、

「お城で新しいお友達ができたんです」

「あら、よかったわね」

「どんな子?」


「妖精のイモムシさんです!王様に持たされたんです。私を守ってくれるよって」


 エチカさんが、

「メリッサちゃん。騙されちゃ駄目よ。そいつは友達じゃなくて、敵よ」

「て、敵!?」


 レイエさんが、

「嫌だなー!失礼なこと言わないでくださいよ!」


 私は言葉を続けます。

「王様に肌見放さず持ってろって言われたのに、放しちゃったのでおパンツの中に入れたら、王様がこのポシェットにイモムシさんを入れなさいってくれました」

「メリッサちゃん。まん◯腐ってない?大丈夫?」エチカさんが尋ねました。

「腐ってないですよ」


 レイエさんが、

「そんな目に遭ったイモムシさんを気遣ってあげたらどうですかね、クソオンナ!」


「それから、懸賞で当てたテントウムシさんです。世界で一番可愛い!」

 私はテントウムシさんをテレサさんに見せました。


「あら、可愛いわね」

「はい!」


 私は言いたいことを言い終わったので、エチカさんの所に行って、

「何作ってるんですか?」

「護符。お守りね。この平べったい石に模様を書いて、加護の魔法を込めるの」

「お守り!王様へのお土産にしたいです!テントウムシさんの模様書きたいです」

「いいけど、本当はそういうの描かないわよ」

「描くの!」


 私はテントウムシさんを描きました。

「じゃあ、簡単な加護の魔法教えてあげる。使えるようになったらいいわね」

 私は頷きました。使えるようになりたいです。


 エチカさんから魔法を教えてもらって、練習。

 ポワッと白い光が護符に吸い込まれました。


「成功成功。やっぱり聖属性なのね。じゃあ、次は護符にちゃんと加護の魔法で魔力を込めてあげて。その人を守ってあげたいって気持ちを込めるといいわよ」


「はい!」


 私は加護の魔法を発動しました。

「王様を守ってあげたいのー!」

 びっくりするくらいに白い光が酒場中を満たしました。


「うわー!」

「レイエさん!」

「ちょっとあんた!」


 私は絶対王様守ってあげるの!

「うららぁぁぁぁーーー!私の加護は世界一ちいいいいい」私は渾身の力で叫びました。


 今度は黄金色の光があたりに溢れます。


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!」

「気をしっかり持ちなさいよ!あんた、それでも1000年以上生きてるわけ!」エチカさんの叫び声が聞こえます。

「それどころじゃないわよ!」こっちはテレサさん。


「ふわわぁぁぁぁ。終わったですー!」


 私が振り返ると、レイエさんがうつ伏せで床に転がって、ピクリともしません。

「レイエさん。具合が悪いですか!治してあげます!」

「あ!」エチカさんが言いました。


 私の回復魔法に包まれたレイエさんは一瞬ビクッと体を大きくのけぞらせて、動きません。

「あれ?おかしいなー。変な面白い動きするだけだ。ププ」


 エチカさんが、

「あんた意外と残酷ね。それよりも、死んだかしら?」

「そんな訳ないでしょ!私の魔法はそんな悪い魔法じゃないの!」


 テレサさんが、

「メリッサちゃん。ちょっと奥でおやつあげるわね。おいで」

「はい!」


 私は酒場の奥にあるテレサさんのお部屋で、プラムのパイを食べながら、幸せいっぱいです。

 テレサさんは酒場に戻りました。


 ちょっとだけ扉を開けてみると、声が聞こえます。

「レイエさん。この借りは返してもらいますからね。でも、500万くらい用意すれば、すぐチャラにしてあげますよ」テレサさんの冷たい声が聞こえます。

「俺に金があるとでも?」

「何よ、回復させてもらっといて偉そうに」エチカさんがぷりぷりした声で言います。


 レイエさんも借金してるみたいです。全くもう。

 お金ないのに、ギャンブルしちゃ駄目です。しょうがないんだから。


 帰り。

 レイエさんはなんかやつれているように感じました。歩く足も力が入っていなさそうです。


「レイエさん。どうしてそんなに元気がないんですか?」

「この頃、オーバーワークだったので疲れが出たんですよ。ハハハ」

「ふーん」

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