第二十七話「幕が上がる」.3
城壁周辺に飛ばした無人機の映像が、ガイドーの執務室に映し出される。
そこには頭羽を持った一族――アルヴァス人が多数映っていた。
「あれは、アルヴァス人か?」
「森の中に潜む蛮族が、なぜドヘイディアに!?」
「交渉役のルミス殿が、先日都市に訪れたと聞いておりますが……」
つまり、それは下見だったと言うことか?
ガイドーはあごに手を当てて映像を睨む。アルヴァス人との関係は、確かにあまりよくはない。彼らの住む森にはクワハウ人の遺跡が多数存在する。
ガイドーは海賊である傍ら、研究対象である遺跡を多数発掘してきた。
「アルヴァス人たちからの、遺跡の発掘の中止要請は確かに再三受けてきましたが、まさかこんな手を打つとは……」
「蛮族の戯言と無視してきたつけですな」
アルヴァス人たちは、こちらから手を出さなければ基本的に大きな反発はなかった。
自分たちの住む森、山を特に神聖視し、そこに不用意に近づけば反撃を貰う。だからこそ、帝国民は基本的に平野部の農業地帯から外にはいかない。
帝国の開拓部隊は、アルヴァス人の居住区を最大限避けるように行動もしてきた。
「最近の開拓が、奴らの反発を招いたか」
「アルヴァス人たちは凶悪な戦闘民族ですぞ。奴らの矢は、装甲車さえも貫く!」
「たったそれだけ武装蜂起をするなど、辺境の蛮族め!」
「そこに土足で乗り込んでんだ。反撃がこねぇと油断してんじゃねぇ」
呆れる者、恐れる者、怒る者様々だが、ガイドーは冷静だ。そして油断もしていない。
アルヴァス人たちの放つ攻撃が危険であると、しっかりと理解している。
「懐柔政策に乗ってこえねぇのは、単にクワハウ系遺跡の発掘を進めてきた成果と思っていたが、それ以上の意識がありそうだな」
まさか自分の持つアクシャハラ・リアクターが、彼らの民族意識を逆撫でているとは、さすがに彼もわかるはずがない。
「リアクターの保護を最優先にしろ! あそこはこの惑星で最も重要な施設だ。市民の避難は考えなくていい。奴らの狙いはそこじゃない」
画面に映っている状況から相手の狙いを、自分か遺跡のどちらかだと考えた。同時にアクシャハラ・リアクターの持ち主が協力しているとも限らないので、そちらの防衛を優先する。
遺跡はこの際見捨てても、もう取れるものはない。
「アーマーガンナー部隊を向かわせろ。奴らとの戦い方を間違えれば、全滅するのはこっちだと言うことを念頭に置け。俺も後から向かう」
「はっ!」
ガイドーの指示に合わせ、戦闘員たちは攻撃してくるアルヴァス人たちの下へ向かっていった。
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