表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
68/123

第二十話「銀河の果て」.1



 銀河の果て――そう聞いて思いつく景色は何であろうか。

 恒星の一つも数光年以内に存在しないボイド空間。

 凍った惑星だけが存在する、無人領域。

 想像する姿は人それぞれであろうが、こと銀河連邦の果て、という意味では変わってくる。


「あともう少し進むと、帝国との境界線よ。特にこれと言って協定もなにもない、ただの小競り合いの結果なのよ」


 もう少し、といっても一ワープほどの距離がある。

 銀河連邦の属する銀河系と、別の銀河系の境界線。ヒトの住む惑星など一つも存在しないそこは、だがしかし、大量の星間物質の滞留地帯でもある。


『二つの銀河のニアミスが、ここにいろんなものを漂わせているんだね』

「うん。この百年間の連邦と帝国の戦いで、かなりの規模の戦いをしてきたもんね」


 数光年離れたところから観測していても、そのデブリの多さには目を見張る。まるで大量の瓦礫が川のように横たわり、眼に見えないはずの境界線をそこに作り出していた。

 もっとも、今回の目的はこのデブリの川を超えることではない。

 その内側に潜伏する、スペースパイレーツに会いに行くことだ。


『機首反転。観光はそろそろ終わりだね』

「目標惑星設定。恒星ドヘネットC、連邦警察も諦めた、スペースパイレーツの一大拠点だね」

『連邦軍の戦力なら、惑星ごとスペースパイレーツを吹き飛ばすくらいしそうなのに』

「ここにクワハウ人の遺跡があるみたいだから、それを壊したくないのよ」


 クワハウ人は、銀河連邦の設立にも深く関わってきた。そして今も技術提供や相談役として活動している。その遺跡があるとなったら、簡単には吹き飛ばせない。


「うん、それに、別の問題もあるみたい」

『どういうこと?』

「ホチャー、これをフィオガの端末に」


 アナトは手元の端末を動かすと、資料をボクの腕のデバイスに送ってくる。

 それを開くと、彼女の言いたいことが理解できた。


『銀河帝国の艦隊だね』

「制圧をスペースパイレーツにやらせて、あとから帝国軍と帝国市民が進駐しんだっけ。もともと国力が小さく、資源に限られた帝国からしてみれば、一つでも惑星を多く占領して資源開発をしたいだろうから」

『あそこには多くの市民が住んでいるんだよね?』

「大概は移民でしょうけど。連邦軍が惑星への直接攻撃を戸惑う理由にもなるわ」


 その市民を守るために、帝国軍も駐留する。帝国が連邦とまともに戦争ができる理由の一つに、その技術力がある。

 帝国の戦艦の性能は連邦軍のそれを上回り、数で押す連邦を少数で翻弄する。大規模な艦隊戦を回避し、ゲリラ的な戦術で削り、戦況をコントロールし続ける。もしもこの惑星に大規模な進攻作戦を行おうとすれば、多数の消耗を強いられることになる。


「本当にここに突っ込むのね」

『アクシャハラ・フィールドがあれば、艦砲射撃くらい効かないから大丈夫だよ』

「心配のしどころが違うんだけど……まぁいっか。目標は」

『ガイドー。簡単にはいかないと思うけど。肩書に偽りがないなら、ここにいる』

「了解。ホチャー、ジェット再始動。惑星の重力圏に入りましょう」

【承知いたしました! アクシャハラ・リアクター、最大稼働!】


 紫の光に包まれた船は、再び目標へ向けて飛ぶ。



少しでも気に入っていただけたら幸いです。




評価、感想、ブックマーク、どんなものでも大歓迎ですので、お気軽にどうぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ