第十七話「出会いと別れと」.3
「そこでそうやって考えるお前さんが恐ろしい。よし。そんな無謀なフィオガにはさらにヒントだ。最後に奴は言っていた。これから連邦の中央でデカいヤマを起こすってな」
デカいヤマ。あのクロビアン人が言っていたとなると、はったりとは思えない。
『リアクターエネルギーが小さいから、特有波形が観測できない。居場所さえわかれば乗り込めるのに』
「なんだ、そんなものまでわかるのかよ。ならこれ以上ヒントはいらねぇか?」
『他にない? あいつがこれ以上、誰かを傷つけるのを待っていられない』
「待てば釣れる獲物だろうに……」
ハンターナイトは、誰かに賞金が公示されてからでないと動かない。
ただ、ボク自身はそれにこだわるつもりはない。今回はすでに賞金が出ているスペースパイレーツだったけれど、もしそれ以外で。
アクシャハラ・リアクターを悪用する者がいたら、ボクは真っ先に止めに行く。
【大物指名手配を受けているガイドーですが、目撃情報は非常に少ないです。ヴァーグスはもちろん、他の地域でもこれといって】
『まだ動いていない。何時動き出すかわかる?』
「いやいや、これを受け取ったのは本の数週間前だ。それからどう動くなんて、言われてもなぁ」
【ひとまずハンターナイト教会、連邦警察、それとヴァーグスの協力者にも通達しておきます。スペースパイレーツの新型エネルギー兵器の供給元、ガイドーの早期発見及び討伐を打診します】
ホチャーが先んじて動く。
ボクにも復讐の目的がないわけじゃない。
それでも、優先すべきは人々の、銀河の平和と安全。アクシャハラ・リアクターが、クワハウから後世の人々への贈り物が、災厄を招いちゃいけない。
「話せることはこんなものさ。ま、がんばれよ。小さな星の戦士さんよ」
理不尽より人々を救い、星を翔ける救世主。
そうなるために、ここで足踏みしている時間はあまりない。
『じゃあ、ガッソー、船に乗って。ハンターナイト教会で、連邦警察に引き渡したらお別れだね』
「ああ。せいぜい、処刑までの短い時間。檻の中を楽しむとするさ」
決して、彼はボクに対して恨み言を吐かない。皮肉りはするけれど。
なるほど、彼が紳士であろうとする心に、偽りはなかったらしい。
『ホチャー、タウホチャー号発進』
【了解。目標地点、ハンターナイト教会。連邦警察はすでに待っているとのことです】
「もう、こういうときだけは動きが速いんだから」
呆れ気味なアナトと一緒に操縦席に座る。
ふと、彼女にだけ見えるように文字を浮かび上がらせる。
『一緒に行くかどうか。着くまでに決めておいて』
「えっ! あ、うん。そう、だよね」
少し目を伏せた彼女とは、教会に付くまでの数分間。言葉を交わすことはなかった。
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