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第十七話「出会いと別れと」.1



「それじゃあ、やるよ?」

『うん。せーの!』


 ズドンッ! と発破音が響く。

 左腕に乗ったアナトの手の中にあるスイッチが押されると同時に、ボクの放ったアクハトが、遺跡の入り口を直撃した。

 彼女の手元のスイッチは遺跡各所に仕掛けた爆薬の起爆装置。ついでにここにあったスペースパイレーツのベースキャンプにも、同じものを仕掛けてある。


「おー、派手に言ったね」

『とはいっても、遺跡の壁画や造形物には被害が出ないように計算してあるから。あくまで、通路を塞いだだけだよ』


 目的は、クワハウ遺跡の封鎖だ。

 完全消滅させるわけにもいかず、だからと言って壊して回るのは忍びない。決してクワハウテクノロジーの漏洩に繋がるわけではないのなら、残しておきたかった。


「ま、重要なリアクターコアは今フィオガの手の中にあるし、問題ないよね」

「あーあ、もったいねぇことを。いうなれば自分の財産砂に埋めちまったようなものだろ?」

『自分の財産ならどうしたっていいじゃないか』


 悪態をつくのは、電磁ネットとプラズマロープに縛り上げられたガッソーだ。

 三百十六件に及ぶ犯罪歴。間違いなく捕まれば処刑台送りだ。ハンターナイト教会に届ければボクの役目はそこまで。あとは連邦や教会が勝手にやることだろう。


『ずいぶん落ち着いているね』

「血生臭い生き方なんだ。いつだって覚悟を決めていてこその自由。自分の自由に責任をとれない奴は、なにもしなくていい。誰かに道筋を決めてもらっておきながら従えねぇようなバカも、いないほうがいい」

『じゃあ君は?』

「俺は俺の自由に責任を持ってる。煮るなり焼くなり、ゴフッ! 好きにすりゃいい」


 先ほど叩きつけたパイルが響いているのか。痛みに顔が歪む。

 他の部下たちは反論する元気もないのだろう。トクハン人三人は、派手に殴り倒したことも相まってまだぐったりしていた。


「それで、この人たちどうやって運ぶ? 結構大変だと思うけど」

『問題ない。ホチャー』

【はい、間もなくタウホチャー号が到着いたします】

「え? 今なんて?」

『ボクの船が来るから。積み込み手伝って』


 やはりアナトも疑問に思った。しかし、ホチャーにそれは伝わっていないらしい。

 でも船がこちらに来た。レイハガナをホチャーに任せ、ボク自身もスペースパイレーツを運び始める。


「しかし、これでお前さんとはお別れだな。フィオガ、だったな?」

『うん。あんたの賞金は有意義に使わせてもらうから』

「ふはははっ、しっかり払われることを祈っているよ。時々個人で賞金を懸けているやつもいてな。払いを渋ることもあるから気を付けろ」

「いや、あんたは連邦政府直々の賞金だから確実に払われるでしょ」


 それもそうだとガッソーは肩をすくめた。

 空を見上げれば、ボクらの船が降りてくる。


「あれがタウホチャー号か。立派な家を持っているようだな」

『それで、最期に教えてくれない? あんたにリアクターエネルギーをくれたパイレーツについて』

「ああ、そうだったな」


 一番重要なことを、彼は思い出す。



少しでも気に入っていただけたら幸いです。




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