第十五話「目覚めの時」.1
同じ土俵。アクシャハラ・リアクター持ち同士の戦いが、僕の気分を高揚させる。
楽しいという感情とは違う。
ただ、強烈な衝動が体を動かす。
――狩猟本能。
「なんだ、動きが変わった……避けろ!」
「な、早っ――」
近接突撃破杭拳が、プレートブレードごとトクハン人の一人を吹き飛ばす。フィールドを纏った質量攻撃。これこそが最も強力で、確実。
「……へぇ、鎧の中の坊ちゃんは、単なる世間知らずのボンボンじゃねぇってことかい」
戦いの中で感じる成長。
銀河最強に至るための一歩目は、きっと今だった。
「そいつはまだ新人だ! 今を覗いてそいつを叩き潰す機会はない! 全力で、出し惜しみせず行け!」
クロビアン人ガッソーの言葉とともに、遠方からレールガンが放たれる。
音速を凌駕した弾頭は熱を帯び、アクシャハラ・フィールドを力づくで貫く力になる。尤も彼らの使うレールガンならば対処できる。体をひねって衝撃を逸らせば、弾丸は後方へと着弾した。
「レールガンを回避しやがった。どんなセンサーを使ってやがる」
「まともな攻撃はフィールドで通じねぇ。近接戦で仕留めるぞ!」
遠距離からの援護は誤射の可能性が高まる。あちらから白兵戦を仕掛けてくるなら、早々レールガンは撃てなくなる。
トクハン人たちは腕のブレードにフィールドを纏い突撃してくる。
接近してくれるのなら、ボクのアーマーガンナーにとっては願ったり叶ったりだ。
『腕部フィールド出力強化!』
【殴り勝って!】
トクハン人は、クロビアン人に比べて足が速い。種族特性とでもいうべきか。全銀河のヒューマノイドには、それぞれ得意分野や、苦手分野がある。
人間なら五本指で様々なものの開発や研究、感覚の複雑な味覚で多くの料理を創り出してきた。クロビアン人は強靭な肉体を持ち、トクハン人は素早く動き壁に張り付くこともできる。だが両者ともに極度の寒冷に弱い。
「ガッソーさん、行けるか!?」
「当たり前だ。俺を誰だと思ってやがる」
ガッソーも立ち上がる。クロビアン人がスペースパイレーツとして名を馳せたのは、種族的特性としての強靭さだけではな。
狙った獲物を必ず仕留める。種族としてのプライドが、その海賊稼業に拍車をかけた。
「天下のスペースパイレーツが、新人一人に負けていられるか!」
ガッソーたちのタンクには、リアクターから抽出したエネルギーが充填されている。
彼らがリアクターそのものを持っていなくて、生成したエネルギーを貯めて置き、少しずつ使う必要がある。その点は無限に供給可能なリアクターを持つボクのほうが有利だ。
――けど、持久戦をするつもりはない。
「奴は頭部の砲撃を狙って来てる! だが、すぐに撃てるほど連射が効かねぇ」
「囲んでバラしちまえ!」
アクハトに警戒している。だからこその、接近戦でもある。
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