第十四話「同じ土俵で」.4
クロビアン人、ではない。どちらかというとトカゲに近い、トクハン人だったか。
クロビアン人ほど体格や筋力は強くないが、素早い動きと器用な手先が特徴的で、銀河中で多数見られるタイプのヒト型種。
忠義芯に厚く高い戦闘力を持つ、
――トクハン人、こいつらがブレード持ちか。
レイハガナを使わないときに用いるプレートブレードと同じ構造だ。ただし、流しているエネルギーがアンブロス・ジェネレーターなんてこと言わず、万物を切り裂くアクシャハラ・エネルギーだ。
それが、三人。
「エネルギー補給に行っていて、申し訳ない! 思った以上にハンターナイトたちに対処するのに時間がかかりまして……」
「武器の実験は大事だ。いや、このタイミングで来てくれて助かった」
バーにいたハンターナイトたちが戦ったのはこいつらなのだろう。
そもそも、ガッソーはボクらの後から来た。なら、先にいたブレード持ちが、別の基地へ戻っていたとしてもおかしくはない。
「そいつは今まで会った奴らとは装備の格が違う! 俺たちより上等な装備だ」
「まさか、連邦にアクシャハラの技術が?」
「さぁな。ただ、俺たちスペースパイレーツにずいぶんご立腹らしい」
ブレードを構えるトクハン人に隙はない。動揺は見せても心を動かさない。相応に相応しい経験を積んできたということなのだろう。
『だからといって、逃げるつもりも逃がすつもりはない。ホチャー。仕留める』
【承知いたしました】
トクハン人の振るう刃は性格だ。光学防壁だけでは防げないので、腕のアクシャハラ・フィールドを厚くして受け止める。背部に繋がるコードの中に、アクシャハラ・エネルギーを貯めこんでいるのだろう、
つまり、レイハガナのようにすぐに取り出してチャージできるわけじゃない。
ガッソーを守るように立つトクハン人。そのうちの一人から何かを受け取った。
『アクハト発射!』
【了解。照射!】
エネルギーをチャージしていない。十分な照準もつけていない。それでも構わない。
至近距離、トクハン人たちのフィールドに干渉して弾き飛ばす。
「ぐわぁっ!」
「なんだ、フィールドが消えたぞ!?」
「奴はリアクターエネルギーを砲撃に使えるのか!」
「だから言っただろう。俺たちより上等だと!」
遅かった。胸部のユニットを交換したガッソーが、再びフィールドを纏って突撃してくる。
繰り出される拳、蹴り、どちらも大きなダメージにはならないけれど、こちらの注意を逸らし、ブレードの一撃につなげてくる。
アクシャハラ・フィールドは近接にも弱い。決して無敵の鎧ではない。
それを最強にするために必要なのは、あくまでボク自身の実力の問題なのだ。
【彼らの武器は危険です】
『大丈夫。この状況、慣れてきた』
【呼吸が乱れ、心拍も上昇。本当に大丈夫ですか!?】
ホチャーのほうが人間らしく心配してくれる。でも今のボクは、感覚が研ぎ澄まされ、世界の色が鮮明になってくる。
同じ土俵戦う相手、今までのアーマーガンナーたちでは得られなかった感情が、ボクを後押しする。
なんて、気分がいいんだろう。
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