第十三話「敵対者」.3
敵はミサイルを突きつけられながら、その不敵な笑みをやめない。
挑発的に、ボクを見てくる。
「ははっ。好き勝手? 俺は結構紳士に行動してきたつもりなんだけどなぁ。他の奴らみたいに奪うだけ奪ったり、踏みにじりっぱなしにしたことはないぜ」
『それでも海賊なんだろ』
「全銀河のヒューマノイドに聞いてみろよ。紳士でいるのに最も重要なのは矜持でも誇りでもない。有り余るほどの金だってな!」
手元のスイッチを押した。爆発音。からの突如、天井が崩れて落ちてくる。衝撃を緩和できても、質量を取り除けるわけではない。アーマーガンナーを急速後退させて距離をとる。
自分の目の前に大質量を落とすなんて、ずいぶんと危険なことをする。
「俺は紳士だからな。婦女少年への暴力を振るわない主義なんだ。逆に言えばな、歯向かってくるヤロウは全員もれなくぶっ殺してきたってことだ。どんな手段を使ってもな!」
――だからって遺跡ごと……。
「ああ、悪いな、今お前の頭に表示された文字は見えてねぇんだ。何か文句があったらあの世で会った時に聞いてやるよ。喜べよ。ご先祖様と同じ墓に入れるんだ!」
バシュッ! と推進剤の音がする。放たれたのはロケットランチャー。物理衝撃性のダメージならアクシャハラ・フィールドで効かないけれど、周りの遺跡は別だ。
【捕まえます!】
ホチャーのアシストが入る。飛んできたロケット弾頭を左手が掴み同時にフィールドを弾頭ごと展開。シールドを拳の周りに広げ、地面へ叩きつける。左手の中で激しい爆発が生まれるが、アクシャハラ・フィールドが大半の衝撃を封じ込めた。熱に装甲表面が焼かれるけれど、生体融合金属の再生能力なら問題ない。
『アナト、そっちは大丈夫? 流れ弾は問題ない?』
「アタシは問題ないけど、周りのカサカサ音がやばいんだけど! 怒ってない、この子たち」
【先ほどのガーディアンが発した司令電波は、どういうわけか、現地生物たちに待機を促していました】
『ガーディアン自体はボクを排除しようとしていた。なんで、そんな命令が?』
ちぐはぐな命令。暴走したガーディアン。ホチャーが出した結論は。
【少なくとも、あなたは完全にクワハウではない、と思われたわけではないようですね】
あれは通過儀礼か何かだったのだろうか。おかげでアナトは遺跡の影に居ても襲われずに済んでいるのだからありがたい。
『奴を追う。どこかに、アクシャハラ・リアクターを使った兵器を持っているやつもいるはずだから』
入り口をこじ開けた誰か。まだ遺跡の中にいれば、きっとそれが――。
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