第十二話「遺跡の守護者」.2
無事、ボクたちは奴らのいる遺跡内に侵入できた。
しかし、ばれるのは時間の問題だ。内部構造が入り組んでいるから味方同士の通信が伝わりにくく、目視でないと状況を確認しづらいからこそ、隠密潜入が成功している。
ただ、見つかったり異常を察知されたすぐに伝わってしまう。
『それにしたって、嫌に静かすぎる』
「……そうよね。トラブルでもあったのかしら」
妙な間での静けさに、何か嫌な予感を覚えた。アナトもそのようで、持っている銃を改めて構え直す。
慎重に通路を進んでいるとき、前方から走ってくるものに気づく。
それは、はぐれたスペースパイレーツの一員のようだ。
「援軍か!? でもアーマーガンナー、一機だけじゃ無理だ、すぐにもっと多くの援軍を要請し……え?」
「フィオガ、捕まえて!」
――言われなくても!
文字が表示されるより早く心の中で答えると、困惑する地球人系のスペースパイレーツへ飛び掛かる。ライフルを構えるより早く手で掴みあげ、壁面へと叩きつける。
『答えろ。ここで何が起こった。他の兵士はどこにいる?』
「……なんで、言葉にしねぇ。あ、待て、答えるから……」
少し力を込めれば、彼の疑問は霧散する。目を逸らし、困惑しながらも答えた。
「遺跡の奥で発見した装置を回収しようとしたんだ。そしたら周囲の石造だと思っていたものが動き出して、みんなを一斉に襲い始めたんだ。遺跡内に生息していた原生生物まで一斉に活性化してみんなを攻撃し始めた。けど、一定エリアを超えたら襲ってこなくなったんだ。だから俺は援軍を要請しようと……」
遺跡の奥――おそらくはアクシャハラ・リアクターのある場所だ。そこ発掘しようとした上に不正アクセスを繰り返した結果、防衛装置が発動したのだろう。
自業自得ともいえるが、それで遺跡が崩れるようなことがあっては、コンゴーや他のクワハウ人にボクは合わせる顔がない。目の前にいて同胞たちの遺跡を守れなかったなど、どんな言い訳も通用しない。
――コンゴーは、気にするなって言ってくれるだろうけれど。
それでも、これは彼らクワハウに救われた者としての恩返しでもある。
起動してしまった防衛装置は、破壊する必要がなければ破壊せずに止めたい。
「フィオガ、急いだほうがいいんじゃない? 奥からなんか、小さいけどドカドカ聞こえる」
『うん。情報ありがとう』
「じゃ、じゃあ逃がして」
『眠っていて』
空中に放り投げ、ショックストリングを突き立てる。倒れた彼は手早くアナトが縛り上げ、通路の脇に転がしておいた。
『ボクから離れないで』
「もちろん。頼りにしてるから」
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