第十一話「遺跡調査開始」.4
遺跡の中は、様々な機械やコンテナが立ち並んでいた。
発掘の際に出た土や瓦礫を運ぶためだろう。レールが敷かれ、薄暗い電気が点灯する。
大気状態に問題はない。スペースパイレーツがそのあたり徹底しているのか。それともこの遺跡自体の換気システムがまだ生きているのか。
『パイレーツの姿が見えない。警備はあまり厳重じゃないのか?』
「発掘に人員が裂かれているのかもね。けど知らなかった。この星でずっと生きてきたけど、この星の遺跡にまだ見つかるものがあったなんて」
『確か、初めてアンブロス・ジェネレーターのオリジナルが見つかったのがこの星だったんだよね』
「うん。その後も発掘が結構頻繁に行われていたはずなんだけど、街の近くにこんな大規模な遺跡があったなんて」
【最近発見されたものと思われます。入り口の状態を解析した結果、岩盤部分に最近発破した跡があり、表面の一部には、アクシャハラ・リアクターの発する異次元余剰残滓を感知しました】
「異次元……なんて?」
『異次元余剰残滓。物質と接触した異次元エネルギーが、物質と対消滅現象を起こす際に、中間子や中性子を残さない代わりに、残るものがある』
【それが余剰残滓です。通常の観測機器では発見できないので気にしなかったようですが、私は欺けません!】
誇らしげなホチャーにすごいと返しておく。問題は、その残滓が観測されたということ。
「じゃあ、この遺跡を閉ざしていた扉を、その、対消滅でこじ開けたってこと?」
『アンチマターバレットはダメージ範囲を限定しにくい。けど、アクシャハラ・リアクターエネルギーは、単純に照射箇所を消滅させる』
【攻撃範囲は確保できませんが、確実性と正確性が高いですから】
敵も、アクシャハラ・リアクターを少なからず機能させている。そして、そのエネルギーを防ぐには、通常の光学シールドでは不可能。圧縮ビームが防げるのは、あくまでこの世界に準ずるもの――レーザー、ビーム、質量弾。
アクハトのような特別な攻撃を防ぐには、同じ土俵に立つ必要がある。
「入口の奴ら、通信に出ねぇぞ」
「交代時間前には事前連絡して来いって言ってんのに、何があったんだ」
「遺跡内のガーディアンが、遺跡の外にまで出たんじゃねぇだろうな。アーマーガンナーなしだと対抗できねぇぞ」
スペースパイレーツだろうか。姿は地球人系のそれと同じ。
尤も、スペースパイレーツは烏合の衆。種族のるつぼ。人間だって所属している。
マフィアと同じ。付くべき側を間違った。
『片づける。ゆっくりついてきて』
「了解!」
早々に無力化し、警報が鳴るまでの時間をわずかでも稼ぐことにした。
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