第十話「狩りの誇り」.4
七台目の車両に向けて、ボクの運転する車両を突っ込ませる。
「や、やめろ、来るなー!!」
横っ腹に激突。車体が曲がると同時に飛び上がったボクは、同じく飛び出したインセクティアンを空中で掴んだ。刃を当てないように気を付けながら、地面を転がって着地。
目を回した相手を地面に叩きつけながら制圧完了だ。
「フィオガ、大丈夫!?」
『問題ない』
Uターンしてきたモノホイールが目の前で止まる。
突然の追走劇に加えて全速力で移動する車両から飛び降りたり、吹き飛ばしたり。
「もぉぉ、気が気じゃないよ。ちょっとでも着地地点間違ったらどうするのさ」
『そのまま走れば問題ないよ。アーマーガンナーもあるし』
「そういう問題じゃないわよ……」
彼女は何か呆れ気味だが、追手は全て叩き潰した。
あとは、スペースパイレーツの集まっているという場所に向かうだけ。アナトのモノホイールに改めて乗り込むと、荒野の中を突き進んでいく。
「あいつら、アクシャハラ・リアクターの光を纏ってなかったよね?」
『纏っていたら、車体から放り出された程度じゃやられない』
衝撃吸収能力を持つフィールドは、大口径砲弾を弾くほどの防御力を持つ。それは衝撃に対して非常に強く、体表で流体のように変化することで吸収する。
ただし、それは低速接近体には弱く、光学兵器を防ぐことはできない。
高出力であれば、それも別だけれど。
『あのインセクティアンは、スペースパイレーツの本隊じゃない』
「集まっていた奴らの一つってところでしょうね。まだ武装を供給されていなかったのかしら」
『手土産にでもしようとしたのかな』
なら、目論見が外れただけじゃない。
遺跡にいる者たち以外、アクシャハラ・リアクターが供給されていないということだ。それならずいぶんと戦いやすい。
『他のハンターナイトたちはこないのかな?』
「あの様子じゃこないでしょうね。今時義理と人情で動くハンターナイトなんていないし、彼らは私たちと何ら繋がりがあるわけじゃないもの」
『そう言った人はいないの?』
「昔は多かったそうよ。でもそれじゃあ稼げないから、だんだんそう言った気質は廃れていったわ」
『昔はハンターナイトじゃなくて、カウボーイとか、バウンティハンターって呼ばれていたらしいね』
「ハンターナイト教会が賞金稼ぎ事業を請け負うようになるまでは、賞金制度も曖昧で、賞金稼ぎが連邦警察と直接交渉しなくちゃいけなかったりで、いろいろ個人委託された部分が多くてね」
『だから、その人柄が重要なんだね』
ハンターナイトは公的に認められた身分だが、決して誇り高いものではない。むしろ腐肉漁り、凶兆の運び手などと呼ばれ蔑まれることだってあった。
けれどもし――。
『ねぇ、銀河最強のハンターナイトって、誰?』
「ん? んー、昔マザーに似たような質問したことあったなぁ」
『その時は、なんて?』
「教皇様――の候補者が最強なんだって。常に教会は、最強のものが教皇になるの。だから、その候補者こそが、常に最強であるんだって」
『そっか』
父さんと母さんは、今のボクをどう思うだろう。
少しでも、褒めてくれるかな。
少しでも気に入っていただけたら幸いです。
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