第十話「狩りの誇り」.1
スペースパイレーツが東の遺跡に向かっている。
ハンターナイトたちから得た情報をもとに、ボクらは街を出る。
惑星内戦争の名残だと言う防壁を潜り、アナトが操縦するモノホイールで穀倉地帯を駆け抜ける。乾燥した土地でも育つ品種改良穀物が道の両脇に広がり、カラカラと風に揺られて音を立てていた。
「パイレーツの目的、何だと思おう?」
『多分、クワハウ関連遺跡から、アクシャハラ・リアクターの情報を見つけること』
モノホイールを運転する彼女の腰に掴まりながらガントレットを操作する。
クワハウの遺跡というのは、いくつか種類がある。
クワハウ人からしてみても古代の祖先が残した先史遺跡。
古代文明最盛期に建造したモニュメントや資料館。
現地住民との融和政策として造った技術交流研究所。
「それも、コンゴーお父さんが?」
『うん。一番目はクワハウ人が住んでいる星にしかないはずだから、必然的に二番か三番。この土地で考えると、たぶん二番目』
モニュメントや資料館――この星の先住民というのは、存在しない。惑星ヴァーグスは開拓惑星だ。辺境の無人惑星であり、生息環境形成されてきた。
その過程でアンブロス・ジェネレーターを見つけた。
先住民が存在しない惑星であったのだから、三番目はありえない。
「そのモニュメントって、何をするためのものなの?」
『コンゴーが言うには、トロフィーみたいなものなんだって。キミゴス星人って知ってる?』
「……たしか、好戦的な虫類甲殻系人の」
『彼らは種族全体が狩人で、星から星へ渡りをする習慣があるんだけど、その時狩りを行った証、優秀な狩人がいた印に、大きな建造物と使った武器を残すんだ。似たようなもの』
「つまり……その星を支配下におさめた証拠ってこと?」
『うん。ここを連邦が開拓するより前に、クワハウはここに足を踏み入れたんだ』
ただ、クワハウの居住地であった惑星b-Anや、その周辺星域からは離れすぎていて、開拓の意味合いが薄い。
今の時代ですら辺境だ。多分、ここがクワハウの星間文明の端っこ。
「さて、安全圏は抜けちゃったから、ここからは頼むね」
『うん。ちょっと触るね』
「へ? ひゃ!」
ボクは彼女の首の付け根あたりに、小さなデバイスを触れさせる。そこから漏れる紫の光が、彼女を包み込む。
『アクシャハラ・リアクターを使った防御フィールド。艦砲射撃でもない限り効かない』
「もう、そういうものはモノホイールに乗る前に付けてくれる? びっくりしてバランス崩すかと思ったじゃない」
『ごめん、造るのにちょっと時間かかったから』
でもこれで、ひとまず大丈夫だ。
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