大悟VS信(アリス)
50話目!
大きな闘技場に今2人の男女が向かい合っている。
「なんかこうしてると昔を思い出すよな」
1人は荒網大悟この国に召喚され勇者という職業を手に入れた少年。
「そうだねあの時は2人ともやんちゃしたね」
そう笑いながら言っているのは闘技場に居る2人目の人物で大吾と同じくこの国に召喚された葉山信。
錬金術師と言う職業を手に入れ『人体錬成』で自分の戦闘向きでない身体を無理やり戦闘出来るようにした男だ。
「でもあの時と違うこともあるよな…まぁもう数年たってるし当たり前なんだけどよ、これはさすがになぁ?」
苦笑いをしながら大悟がそう言うと前にいる美少女は
「確かに、あの時よりも大きくなったし何よりここ地球じゃないしねぇ」
「違ぇよ!いや、確かに異世界転移は驚いたけど!違ぇよ!」
「え?」
「え?じゃねぇよ!?1番変わったのはお前だよ!気づいたら幼なじみの性別変わってんだぞ!?正直ここ来た時よりびっくりしたわ!」
そう、何度も言うが目の前にいる信は男だ。
胸があり銀髪の長い髪がありめちゃくちゃ可愛いが男なのだ。
「あぁ、それね」
「それねって…はぁやっぱり昔から変わんねぇなお前は」
「それは大悟も同じでしょ?」
「はは♪あの人に似たのかもな……なぁ信一ついいか?」
すると先程とは違い真面目な表情で大悟は言った。
急に雰囲気が変わった大吾に信も真面目になり返事をした
「なに?」
「俺さ少し考えたんだ…異世界転移があるなら転生もあるのかなって」
異世界転生…転移とは違い一度死んだ者が別の世界でまた生を全うする事である。
「大悟…」
「…悪いここで話す内容じゃねぇな」
「うん、話は後で僕が勝ったら聞くよ」
「おう、俺が勝ったら聞いてくれや」
「……」
「……」
そしてそこから2人は何も喋らず開始の合図を今か今かと待っている。
そして…
「それではこれよりBブロック初戦アリス対大悟の試合を始めます!……初め!」
開始の笛がなった瞬間僕は最速で部位錬成を行い自分の腕をロケットランチャーに変えた。
「全弾ぶち込む!」
「っ!マジか!?」
そして僕の中にある20発の弾を全て大吾に放った。
放った弾は見事大悟のいる場所に全て命中しドォォン!!と大きな音を立てて爆発した。
「さて…コレで終わればすごい嬉しいんだけど」
ロケラン20発…いくら勇者でもまともに喰らえばタダでは済まない威力になる…ただしまともに喰らえばである
「あっぶね〜まさかいきなり全ブッパとはな」
「っ…ですよね〜」
ロケランの影響で砂煙がたちこむ中、信は砂煙の中から感じる気配そして恐らく大したダメージはおってないと思わせるような陽気な声…いや実際たいしたダメージは負って無いのだろう直ぐに中から無傷の大吾が姿を見せた。
「ロケラン全ブッパとか親友にする事かよ?」
そう言いながら大悟は勇者の宝物庫を出現させその中から剣を飛ばした、だがそれは信の横を通り過ぎ地面に刺さる。
「…ん?」
それに疑問を思った信だが今度は約数十本の剣が先ほどと同じように全方位に一斉に飛んだ。
「えーと…大悟何してるの?」
さすがに我慢できなくなったのか信は大悟の謎の行動に何をしているのかと聞いたが大悟は何も答えずただ剣を投げるだけ。
そして闘技場一面に剣が刺さった状態になりやっと大悟が動き出した。
「待たせたな」
「いやまぁ、何するのかなって気になって」
(その好奇心がお前の敗因になるんだぜ)
大悟がそう思いながらも少し悔しそうな顔をした。
勇者アルフレッドが最初に大悟に教えたのは危機察知能力。
様々な魔物と出会わせどの魔物が自分もよりも強いか逆にどの魔物なら倒せるかなどを知るための訓練をさせた。
そしてその訓練の結果大悟は見事に『勇者の勘』と言う物を会得する事ができ、それによると目の前に居る親友の信は自分と同じもしくはそれ以上のステータスを持っている。
もちろんステータスだけで全てが決まるという訳では無いが信はグラトニーさんの教えを受けていて最初に戦った時も油断できない動きだったしそれに加えあの錬金術だ。
(つまり今の俺じゃあ真正面から戦っても多分勝てねぇ…だけど別に勝つ方法がないって訳じゃねぇ)
「で…大悟、一体何をしてくれるのかな?」
「慌てんなよ今見せてやるから」
そう大吾が言うと今度はただの鉄剣では無く白の片手剣と黒の片手剣の2本を手に持った。
「確かモノクロって言うんだっけ」
「あぁ、俺の愛剣『魔剣・モノクロ』まぁ両方揃わねぇと紙すら切れねぇけどな」
「魔剣…聖剣じゃないんだ」
魔剣…それは聖剣とは違い装備者に何らかの代償を負わせる代わりに聖剣並の力を授ける剣である。
「それなんだけどよあの時は言い忘れたが実は俺まだ聖剣持ってねぇだよ」
「え?」
驚きの事実…てっきり大吾は聖剣を持ってると思ってたんだけど…
「だからってお前に勝てねぇわけじゃねぇぜ?…そろそろ見せてやるよお前を倒す秘策を!」
そう言うと大悟は手に持ったモノクロに勇気を入れ次の瞬間文字通り消えた。
速すぎて消えたように見えた訳ではなく本当に消えたのだ。
「ここだ!」
「いっ……!?」
次の瞬間大悟は僕の後ろに移動し背中を切りつけた。
それに対し僕は大悟が居るであろう後方に蹴りを入れたが…
「っこの!」
「どこ狙ってんだ?」
「また!?」
既にそこには大悟の姿はなく今度は左から大悟の剣が迫るがそれを信は左腕であえて受け止めた。
その結果大悟の剣は信の左腕に食い込み大悟の動きを一時的に止めることが出来た。
「なっ!?」
そして予想もしなかった信の行動に一瞬焦った大悟、その一瞬を信は見逃さず攻撃に移る。
「『部位錬成・豪鉄腕』…からの『怪力』!!」
すると信の右腕が鉄色に変色しそれと同時に巨大化までし始めた。
そして信はその腕をそのまま大悟に向かって振り下ろす。
「ちょま…!」
そして振り下ろされた拳は大悟のいた場所にピンポイントに叩きつけられその場に大きなクレーターが出来ていた。
「殴った感触がなかった…逃げられたな」
そう言いながら信は右腕を元に戻し大悟を見つめた。
「いや〜今のはマジで危なかったわ〜」
「おかしいな…逃げれるような距離じゃなかったと思うだけどなぁ」
いくら大悟が速くてもあの距離では流石に当てる自信がある。
だがそれでも大悟は避けた、しかも抜けなかったはずの剣もいつの間にか抜けている。
「大悟…いつの間に『瞬間移動』なんて魔法覚えたの?」
「はは♪冗談言うなよ俺やアルフレッドさんはお前らとは違って魔法が使えないんだぜ?どうやって『瞬間移動』なんて魔法使うんだよ?」
「でも似たような事は出来るよね?」
「…こんな風にか?」
すると大吾は先ほどと同じように消え今度は右から大悟が姿を現したかと思えば今度は後ろにそして左に移動し最後に元の位置に戻った。
「なるほど剣から剣に瞬間移動とか流石チート勇者…そしてあの時の大悟の行動を見逃した僕を全力で殴りたい」
「俺はあん時のお前に全力で感謝したいね」
(瞬間移動…剣から剣にって言う制限付き…これも十分問題だけどそれよりも問題なのが…)
「なんか僕の身体再生出来ないんだけど…もしかしなくても大悟の仕業だよね?」
「当たり前だろ?」
「マジか…前に戦った時は再生出来たんだけど…」
全く予想のできない瞬間移動からの攻撃…そしてその攻撃で受けた傷は信お得意の再生が出来ない。
(あれ?これ結構不味くない?)
そんな事を思いながら信の模擬戦はいきなりピンチな状態で始まった。
苦手な戦闘シーン…上手くできるかな…(--;)




