決着
48話目
なんだろう…アリスとか大悟とかを書くのが凄い久しぶりな気がするw
「ガァァァァ!!!」
「うるせぇよ」
「ガっ!?」
吠えながら向かってくる木下を俺は思いっきり殴り飛ばす。
(なんか変なこと思い出しちまったな…しかしまさか俺の名前を夏菜にした時は本気でビックリしたぜ本当に記憶消したのか心配になったが愛花の様子を見るにちゃんとマリアはやったみたいだな)
「ガァァァァ!!!」
(はぁ…力や速さは良いがさっきから攻撃が単調過ぎんだろ)
先程同じように向かってきた木下を今度は蹴りで反撃をする。
(さて…俺が出れる時間も限られてるしそろそろ終わらせるか)
「愛花!俺の力その目でちゃんと見とけよ!」
そう言うと夏菜は愛花の身体で使っているいつもの構え…では無く腕をだらんとさせた一般的な構えとは全く違う構えをとった。
「ガァァァァ!!!」
それを隙と見た木下は手に左手に紫色、右手に黄色のオーラを漂わせて先程よりも速く突進してきた。
「さっきよりも速ぇな…でも目で追えるならまだまだだ」
「ガァァァァ!!!」
そしてとうとう木下の攻撃が夏菜に当たろうとした時一瞬夏なの体がブレた。
ダン!!ダン!!ダン!!ダン!!ダン!!
そんな何かを殴る音が5回聞こえた。
そしてその直後…
「ガァァァァ!?」
木下は先程よりも勢いよく飛んでいきそれから
パリン!
と、木下がつけている首飾りが割れた。
「そ、そこまで!一体何が起きたと言うんでしょうか!愛花選手にトドメを指そうとしたら木下選手がひとりでに吹っ飛びそこから1人で突進しては吹っ飛ぶの繰り返し…これも愛花選手のスキルなのでしょうか?とにかくこの勝負木下選手の首飾りが破損し愛花さんの勝利です!」
「ふぅ…」
「夏菜!」
「おう大丈夫だったか?」
「うん…夏菜こそ大丈夫?」
そう言われた夏菜ニカッと笑い愛花の頭をガシガシと強めに撫でた。
「きゃっ!」
「さっきの見て逆にどこに心配する要素があったんだよ?」
「た、確かに夏菜すごい強かった」
「だろ?…あ、そろそろ消えるわ、それと先に謝っておくわ、悪い」
「え?」
いきなりの事に困惑していると目の前にいたはずの夏菜がいつの間にか消えていた。
「夏菜?…あれ、なんか体が重い」
その直後愛花はバタンと倒れた。
そしてそれを見た大急ぎで医務室へ運ぶ。
そのまま木下も運ぼうとするが
「あぁ、ちょっと待て」
「グラトニーさん!どうしたんですか?」
「悪いな少し調べ物だ」
そう言うとグラトニーは倒れている木下に手を当てた。
「やっぱりか…『魔人種』」
「え?なんです?」
「いやなんでもねぇ…それよりもう大丈夫だぞ木下を医務室へ運んでやってくれ」
「は、はい」
そう言われた騎士は急いで木下を医務室へ運びに行った。
そして1人残ったグラトニーは
「とうとう動き出したか…ザナック…」
そう小さく吐いて転移結晶で消えていった。
愛花と木下の試合終了後大悟達は驚きを隠せずにいた。
「ねぇ大悟…あれなんだと思う?」
「あれってのはどっちだ?木下の方か?それとも愛花さんの方か?」
「多分愛花さんの方だと思いますよ…厳密には愛花さんに似たもう一人の女性の事ですけど」
大悟達は試合中に現れた謎の女性について話し合っていた。どうやって現れたのか、そしてあの強さ。
だがそれよりも1番謎なのは…
「ていうかなんで僕達にしか見えないんだろう?」
そう、何故かあの女の人は奈緒さんやクラスの皆には見えず僕達にしか認識できないのだ。
「さぁな幽霊とかじゃね?」
「まぁスキルや魔法がある世界ですし幽霊とか居ても不思議では無いんですが」
「てか何故お前達はそんなに冷静なんだ?」
以外にも冷静に話す大悟達の話を聞いていて黒龍は少し呆れ顔でそう言った。
「まぁ僕達にしか見えないのは謎だけどあれはそんなに悪いものじゃないと思うから…少なくても愛花さんにはね」
そうアリスが言うと大吾と中村も
「信に同じく、あの女の人は愛花さんを守ったように見えたし悪いやつじゃねぇかなって」
「はい、だったらそこまで驚かなくても大丈夫だと思いまして」
そう言うアリス達を見て黒龍は
「そんなもんか?」
と、少し納得してなさそうに言った。
「えーただいま行った試合でAブロックを終了致します続きましてBブロックを30分後に始めるのでBブロックの選手は準備をお願いします」
「お、とうとう来たか…てか中村、結局マロンさん達に通信は出来なかったのか?」
「はい、あの後何回かやってるんですけど全然繋がらないんです」
「そうか…信扉の方はどうだ?」
そう言われアリスは扉の方へ行きドアノブに手をかけた。
するとガチャと音がして何事も無かったかのように扉は空いた。
「扉は開くようになってるよ」
「うーんなんだったんだ?」
「なんだまだお前ら控え室にいねぇと思ったらこんな所に居たのか」
すると転移結晶で転移して来たグラトニーが現れた。
「あ、師匠どうしたんですか?」
「「……」」
もはやいきなり現れる事に慣れてきたアリスに大悟達は少し呆れていた。
「あぁ、そうだこれをお前達に渡そうと思ってな」
そう言って手渡されたのは指輪だった。
「どういう訳か今『念話』が届かないみてぇだからなこれを付けてればお互い連絡が取れる」
「…何かあったの?」
木下のさっきの様子…師匠のこの対応…やっぱり何か変なことが起きてるのかな。
「悪いがまだ言えない…ただもしなんかあったら直ぐに動けるようにはしておけ」
グラトニーはこう言っているがなんかあったらって事は確実に何が起きてるって事じゃん。
その心配が顔に出てたのか師匠から
「まぁそんなに心配すんなよいざと言う時は俺らが何とかしてやるからよ」
と師匠に励まされてしまった。
でもその言葉だけで僕らの中にあった不安が少し軽くなった気がする…やっぱり師匠は…
「あ、そうそうアリス…お前優勝出来なかったら修行のキツさ倍にするからな?負けんなよ?」
…やっぱり師匠は鬼畜だわ。
そしてその後僕達は騎士達に先導されてBブロックの控え室に案内された。
「それでは皆さま名前を呼ばれるまでこちらでお待ちくださいなにかご用がある際は外にいる者にお声かけを…それでは失礼します」
そう言うと騎士さんは部屋を出ていった。
「ここが控え室か…意外と普通?」
「信は控え室に何を期待してんだよ?」
「まぁそれもそうなんだけど…この闘技場を作ったのは師匠やマロンさん達なんだよ?…なんかあるのかなって」
「なんかってなんです?」
「例えば…」
「体力回復と魔力回復とかか?」
言い悩むアリスに対して黒龍がそう言うとそれに反応した中村が首をブルブル降った。
「いやいや体力回復ならたしかに魔法で何とかなりますけど魔力回復は無理ですよ」
「マロンだけだったらな?でもこの闘技場はグラトニーも手伝ってるんだろ?」
「……」
そう言うと大悟、中村、黒龍は一斉にアリスの方を見た。
その意味を察したアリスは
「魔力回復の出来る部屋を作るのは一応出来るよ…すごくムズいけど」
「「「「……」」」」
しばしの沈黙の後中村は手のひらに小さな炎を作った。
「今試しに魔法を使ってみましたが確かに回復してます」
そう言うと今度は大悟が小さなナイフを取り出し自分の腕を薄皮一枚ほど切ってみせた。
「傷も治ってる、ついでに勇気も回復してる」
「と、言う事はやっぱり…」
「そうですね…」
「因みに信と中村はこれと同じの作れって言われたら出来るか?」
大悟にそう言われしばし考えた2人はフルフルと首を振った。
「出来なくはありませんがマロンさん達と同じく一日でこれをやれと言われたら僕はその人に攻撃魔法をありったけ打ち込みます」
「同じく…僕も作れなくは無いけど早くても1週間はかかる」
「やっぱりあの人たちって」
「「「おかしいよね…」」」
自分たちの師匠がどれだけ凄いのか再確認したアリス達だった。
それから数分が経ちBブロック1試合目の大吾とアリスの名前が呼ばれた。
「うーん」
「どうしたんですか?大悟」
「いや、吉村のやつが居ねぇなと思って」
大悟に言われ中村は控え室を見たが同じBブロック吉村の姿が見えなかった。
「そう言えばそうですね」
「ふん、我に恐れを為して逃げたのではないか?」
「そうだといいんだが…」
「まぁ今は試合に集中しましょう…応援してますよ二人共」
「アリス、お前は我に勝ったのだからこんな所で負けたら承知しないぞ」
「おう!」
「うん!」
中村と黒龍に見送られた大悟とアリスは控え室を後にした。
いよいよBブロック!
勝者は誰だ!




