夏菜の過去
46話目
大変遅くなってしまい申し訳ありません!
今回は少し区切る所が無く少々長くなってしまいました。
「おぎゃぁぁ!おぎゃぁぁ」
この日新たに小さな命が生まれた。
「おめでとうございます!元気な女の子ですよ」
そう看護師さんが言うと新たに生まれた赤ちゃんの母親、窓目結花は嬉しそうに喜びを口にした。
「ふふ♪私ね娘と買い物に行く事が夢だったの…ねぇ?看護師さん夫を読んできてくれないかしら?」
そう言われた看護師は微笑んで「はい」と一言いってソワソワしながら待っているであろう夫を呼びに部屋を出た。
それから数分…廊下からドッドッド!!!とこちらに向かってくる足音が聞こえた。
「結花!」
ガラガラ!と力強くドアを開けたのは結花の夫にして鬼神流当主の、窓目直人そして
「よう結花久しぶりだな」
「夏菜さん!」
直人の姉の窓目夏菜が扉から現れた。
「ゆ、結花それでその子が…」
「ええこの子があたし達の子供よ…名前は愛花」
「愛花…て事は女の子?」
直人が声を震わせながらそう言うと結花はニコッと笑って「ええ」と言った。
それを聞いた直人は愛花に近づき
「初めまして愛花僕が君のパパですよ」
すると「おぎゃぁぁ!!おぎゃぁぁ!」と心なしか先程よりも大きい声で愛花は泣きわめいた。
そしてその泣き声を聞いた直人は…
「結花!今愛花が返事をしてくれたよ!」
と喜び、それを聞いた結花も…
「ふふ♪愛花もパパと会えて嬉しかったんですね♪」
同じく嬉しそうに言った。
そしてそんな2人を呆れた顔で見ている夏菜は
「んなわけねぇだろ…まだ生まれたばかりなんだから耳も目も聞こえねぇよ」
とはっきり言った。
もちろんそんな事はこの二人にも分かっているのだが初めての我が子に少し親バカ気質になっていた。
「そんなことは分かってるよ…もう姉さんは格闘技以外興味を示さないんだから」
と、直人は少し呆れた顔つきで夏菜に言った。
それを聞いた夏菜はバツが悪そうにしながら
「ッ…別にそんな事は…ねぇよ」
と、様々な心当たりを頭に思い浮かべ言った。
「ふふ♪夏菜さんも抱いてみれば分かりますよ♪」
急にそんな事を言い始めた結花は夏菜に手渡した。
「……」
「もう…はい!」
だが夏菜は愛花を受け取ろうとしなかったので結花は強引に愛花を手渡した。
「お、おい!…ったく」
「どうですか?」
そう言われ夏菜は腕の中で泣き疲れて寝ている愛花を見つめた。
「…まぁ悪くはねぇな」
そう言い夏菜は愛花を結花に返した。
しかしその時の夏菜の顔は先程よりも優しい顔つきになっているようにも見えた。
カシャカシャ
「あらあら〜思わぬ所で夏菜ちゃんのめずらしい姿を見れたわね〜♪」
音がする方を見てみるとそこには病院の中にシスター服と言う明らか場違いな格好でカメラを構えている女性が立っていた。
「っ!マリアてめぇなんで!」
マリアと呼ばれた女性は笑いながらこちらへ近づき。
「なんでって結花ちゃんに子供が生まれるってなったら行くしかないじゃない?」
「マリアさんは僕が呼んだんだよ」
「てめぇか直人!」
「まぁまぁいいじゃない夏菜♪私だって結花ちゃんのお子さんみたいんだもん」
と、マリアは頬を膨らませながら言った。
それを見た夏菜は頭に血管を浮かせマリアに突っかかり直人と結花はそれを微笑ましそうに見ていた。
そしてそこを偶然通りかかった看護師さんに。
「もう少しお静かにお願いできます?」
「「「「はい……」」」」
と、怒られたのだった。
そしてあれから4年の歳月がたち愛花は4歳になっていた。
「よぉ来たぜ」
「あ、姉さんいらっしゃい…愛花ー!姉さんが来たよー!」
直人がそう言うと奥からダッダッダっと何かが走る音が聞こえて来る。
そして奥から出てきたのは髪を三つ編みにした小さな女の子だった。
「なつなー!いらっしゃい!!!」
「よぉ愛花」
そして愛花はそのまま走りを止めず愛花へ飛びついた。
夏菜は飛びついて来る愛花を受け止めそのまま愛花を高く上にあげた。
「相変わらず元気だなお前は」
「えへへー♪だって俺は夏菜の弟子だから!」
「そうか♪でも自分の事を俺って言うのは辞めた方がいいぞ?」
「えーなんでー!夏菜だって自分の事俺って言ってるじゃん!」
「なんでってそりゃ…あ、愛花は女の子だろ?女の子は自分の事『俺』なんて言わないぜ?」
「でも夏菜も女の子でしょ?なのに夏菜は良いの?」
「うっそれは…」
「ふふ♪いくらあの夏菜さんでも愛花には勝てなかったのね♪」
と、そこに現れたのは愛花の母である結花であった。
結花の登場でこの危機から脱出できると思った夏菜は笑顔を浮かびながら。
「結花!助けてくれ!」
と言った
それを聞いた結花は苦笑いしながら、
「愛花、お母さんお菓子を作ったから運ぶのを手伝ってくれない?」
と一言言うと愛花は「うん!」と笑顔で台所へ走っていった。
「すっかり懐かれてるわね♪」
「まぁあれから姉さんは毎日のようにウチに来て愛花と遊んでるし…懐かない方が変だよ」
そう言って2人は夏菜の方を見た。
「な、なんだよ…」
「ねぇ夏菜さん?もういっその事ウチにすまない?」
「はぁ!?」
突然の申し出に叫ぶ夏菜。
「あぁ、それいいねその方が愛花も喜ぶよ♪」
「な、直人お前まで!いきなりなんだよ!」
「確か姉さんって一人暮らしだったよね?だったらうちで一緒に暮らさない?」
「確かに俺は1人だけど…そんな急に言われてもよ!」
「悪い案ではないと思うんだ…ウチだって格闘技を教えているしもちろん道場だってあるから姉さんの練習場には困らない」
「それは…確かにいいんだがよ」
「そして何より愛花がいる」
「っ…」
「幸い愛花も格闘技に興味があるみたいだし…どうかな?ウチに来て愛花を教えてくれないかな?」
その一言を言うと夏菜は
「愛花に教える…それは確かに悪くない…」
と、少し笑った。
「少し帰って考えさせてくれ」
そう言うと夏菜はすぐさま家を出た。
それの姿を見届けた2人は
「愛花さん来てくれるかしら?」
「うん…あれは絶対来るよ」
直人がそう言った三日後見事に直人の予想が当たり窓目家に直人、結花、愛花に加え新しく夏菜が加わったのだった。
そしてまた歳月が経ち愛花は13歳になった。
この頃になると夏菜の愛花へのデレも表には出さなくなり練習も厳しくなってきた。
「愛花ぁ!もっと声出せ!」
「はい!!!」
「ちげぇ!そこは蹴りだろうが!」
「はい!!!」
「そうだ!相手の隙をつけ!相手をよく観察しろ!」
「はい!!!」
と、愛花は怒鳴られては組手をし怒鳴られては組手をしていた。そしてそれを見ていた愛花の両親である直人と結花は…
「やっぱり愛花は凄いね」
「えぇ…才能ってのもあるんでしょうけど…1番はあの練習への意欲よね」
もちろん他の生徒に意欲が無いとはこの2人は微塵も思ってない、ただそれよりも愛花の練習への意欲が凄まじいのだ。そして何よりも夏菜と言う存在が大きかった。
愛花と長い付き合いである夏菜はどう教えれば愛花は理解するのか愛花にはどういう戦い方が合っているのか夏菜にはそれが分かっていた。
それもあって愛花はぐんぐんと成長していき今では自分と同じぐらいの子では相手にならないレベルにまでなっていた。ここまで成長した愛花を見て2人は心底夏菜がうちに来て良かったと思った。
「よしここまでだ…今日もよく頑張ったな」
「うん♪お疲れ様…はいこれ水」
そう言うと愛花は近くに置いてあった水の入ったペットボトルを夏菜に差し出した。
「おう、サンキュー」
それを夏菜は手に取りペットボトルに口をつけた。
「ふぅ…ん?愛花は飲まねぇのか?」
「あー俺とした事が自分の分を持ってくるのを忘れたみたい……(チラ)」
「んだよ…なら半分あるから俺のやるよ」
そう言って夏菜は自分の水を愛花に差し出した。それを愛花は嬉しそうに受け取り少々顔を赤らめながらもペットボトルに口をつけ水を飲んだ。
「そう言えば今日この後どっか行くんだっけ??」
「まぁこの後すぐって訳じゃねぇけどな」
「ふーん、ならそれまででいいから買いもの夏菜も一緒に来てよ♪」
「あ?なんで俺が…直人や結花がいるだろうが」
「お父さんとお母さんはこの後他のみんなに教えなきゃ行けないから一緒には出かけられないよ…だからお願いこの通り!」
そう言って愛花は手を合わせ夏菜にお願いをした。
「…はぁ分かったよ行けばいいんだろ行けば」
「やった!ありがと夏菜!大好き!!」
「分かったからさっさと着替えてこい」
そう言う夏菜に言われると愛花は自分の部屋へ走っていった。
それから30分支度が終わった2人は家を出て近くのデパートに行った。
「で、一体何買うんだよ?」
「うーん何買おうか?」
「は?なんか欲しいもんがあるから来たんじゃねぇのかよ?」
「別に?俺は夏菜と出かけたかっただけだからそれ以外は考えてないや」
「はぁ…ならここに居るのもあれだし適当に回るか」
「あれ?以外…夏菜なら『だったら俺は帰る』とか言って帰るかと思ったのに」
「別にそこまで冷たくはねぇよお前が俺と居たいってなら一緒にいてやるよ」
「っ…!急にそういう事言わないでよ!」
と言いながら夏菜と愛花はデパートを回りその場で欲しいものを見つけ買ったり一緒にご飯を食べたりしてあっという間に時間はすぎ2人は屋上にいた。
「ねぇ夏菜あれ2人でくぐろう!」
「あれって…まさかあれを2人でくぐるのか?」
そう言ってあいかが指を刺したのはハート型のオブジェがあった。
「いや、でもあれって」
「いいから!」
「お、おい!」
そう言って渋る夏菜を愛花が強引に引っ張り2人はハート型オブジェをくぐった。
「おい愛花これって…」
「はいチーズ♪」
カシャ!
「……おい愛花さっきからなんだ?」
「思い出作り?」
「そりゃいいんだけどよ…これどう見てもカップルがやる奴だよな?」
「だって屋上にこれしかないんだもんしょうが無いでしょ?…それとも嫌だった?」
と、少し不安そうに言われ夏菜は
「いや、別にそういう訳じゃねぇけどよ…」
とつい言ってしまった。
「良かった♪…ってもうこんな時間だ、夏菜はこのままどっか行くんだよね?」
「あぁ」
「なら俺は先帰ってるから…じゃあまた後で」
そう言って愛花はすたすたと少し早歩きで先にデパートを出た。
その後ろ姿を見た夏菜は
「はぁ…最近のガキはよく分かんねぇな」
と、大きな溜息をしながらデパートを出た。
そしてその日の深夜。
「悪いな二人ともこんな時間に起こしちまって」
「ほんとだよ姉さんこんな時間に」
「何かあったんですか?」
「伝えなきゃ行けないことがあるんだ…落ち着いて聞いてくれよ?」
そう言って夏菜は少し息を吸い
「俺あと2ヶ月ぐらいで死ぬかもだわ」
と、口にした。
今回投稿が遅くなって本当にすいません。




